『脳卒中-2』

高齢化で増える脳梗塞 
中山博文院長

 

 ―患者数が多い脳梗塞(こうそく)の説明をお願いします。

 「動脈硬化が進んで血管が狭くなり、血流が悪くなって血液の成分が血栓をつくるのが血栓症。別の場所でできた血栓が血流で運ばれてきて詰まるのを塞栓(そくせん)症と呼びます。さらに発生場所による分類もあります」

 ―どのような?

 「日本人に多いのが脳の奥の細い血管が詰まるラクナ梗塞。小規模なものが多く、症状が出ないこともあります。一方、欧米に多いのが脳の太い動脈や首の頸(けい)動脈が詰まるアテローム血栓性梗塞。食生活の変化で日本人にも増えています」

 ―心原性塞栓症は。

 「高齢者に多い心房細動という不整脈が起きると、心臓内で血液がよどんで血栓ができます。この場合は血栓が大きくなりやすく、太い血管をふさぐので重くなりやすいのです」

 ―急性期の脳梗塞の治療法は?

 「薬で血栓を溶かす血栓溶解療法があり、最近、tPAという新しい薬が認可されました。後遺症を減らす効果が確認されていますが、投与後に脳出血の恐れもあり、発症三時間以内の治療開始が条件。受けられる患者も厳しく制限されます」

 ―ほかには。

 「カテーテルを使った血管内治療もあります。ただ、発症六時間以内の治療開始が条件で、医師の熟練も必要です。ほかに二十四時間以内や四十八時間以内に使う薬もありますが、できるだけ早く専門医にかかることが重要です」。

 ―最近は脳ドックを受ける方もいます。

 「画像診断の進歩で、症状が出なかった小規模な梗塞や出血の跡や血管の狭窄(きょうさく)が見つかるようになりました。こういう人は症状を伴う発作の危険が高いですが、降圧薬や血液を固まりにくくする抗凝固薬や抗血小板薬などで、発症の危険を下げることができます」

 


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