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心筋血流SPECT 著しい画像処理の進歩 |
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突然激しい胸の痛みに襲われたら、まず最初に疑うのが心臓病。その判定に「心筋血流SPECT(スペクト)」の画像が威力を発揮している。 駿河台日大病院(東京都千代田区)循環器科の松本直也(まつもと・なおや)医師は「SPECTは心臓病チェックのゲートキーパー(監視役)として欠かせなくなっている」と強調する。 ▽RIの集積を画像化 ![]() 胸が痛いと心臓病を疑うことが多いが、胸痛の原因は心臓病ばかりではない。しかし、心臓病の場合、心筋梗塞(こうそく)や狭心症などのように命にかかわることが多いだけに、心臓病かどうかを判定することが治療の大きなポイントになる。 心筋血流SPECTは、標識として放射性同位元素(RI)を付けた薬剤を静脈注射し、一定時間経過後に体内から出るガンマ線を特殊なカメラで撮影して、心臓へのRIの集積状況を画像化する仕組みだ。 「1990年代後半から画像の処理技術が進み、心電図と同期させて局所あるいは心臓全体の機能解析ができるようになった」と松本医師は説明する。 心筋血流SPECTによってまず分かるのが、心臓を流れている血流の状態が均一になっているかどうか。運動による負荷がかかった際、心臓に十分な血流が流れず、不均一になってしまうのが狭心症だ。 ▽半分が黒い心臓 また、心臓の冠動脈が詰まっていると、心筋にRIが取り込まれないため、その部分が黒っぽく映し出される。負荷がかかった時に心臓の収縮能が低下する部位もSPECTによる局所機能検査で分かる。 RIのテクネチウムで標識した薬剤(Tc―MIBI)を使ったSPECT画像を見せてもらった。丸みを帯びた形で映し出された心臓の半分が、黒っぽくなっており、その部分が機能していないことがよく分かる。 「この患者は、心臓の約40%が機能していない。心筋梗塞症で1年以内に死亡する可能性もかなり高いとみないといけないだろう」と同医師。これだけはっきり画像で示されると説得力がある。 心臓の検査では、患者の症状を詳しく診断するために心臓カテーテル検査が行われている。 この方法は血管の狭窄(きょうさく)状況が分かるが、心臓に入れたカテーテルという細い管から造影剤を注入して血管を撮影するため、1泊2日の入院が必要で、体に対する負担も大きい。 ▽米国の20分の1 ![]() これに対してSPECTは、入院も必要なく体に対する負担もずっと小さい。 しかも、血管造影は血管の状態を診断するのに対し、SPECTには、心筋そのものの異常が判定できるという長所がある。 松本医師によると、SPECTを実施し、異常がなければ、1年以内に心臓病になる確率は1%未満だ。 異常が見つかれば、その状態によって、薬物による内科治療か、心臓カテーテルによる血管造影を選択する。血管造影で血管の狭窄が見つかれば、風船療法(PTCA)で広げたり、バイパス手術を行うなど、積極的な治療をすることになる。 米国では現在、心筋血流SPECTが年間700万件近く実施されているが、日本では30万件程度、米国の20分の1以下にすぎない。 松本医師は「日本では心臓カテーテルによる血管造影が多いが、患者に優しいSPECTをもっと実施してもいいのではないか。心臓病診断の第一選択肢として最適」と話している。 |