|
加齢とともに増え、生活の質(QOL)を大きく左右する目の病気について、日本眼科医会常任理事で種田眼科医院(神奈川県相模原市)の種田芳郎院長に聞いた。
―高齢者の多くは白内障と聞きます。
「60代の7割、70代では9割の人が白内障と言われています。白内障は、カメラのレンズに当たる水晶体が濁ってくるのが原因です。水晶体は20歳を過ぎると老化する一方。白髪やしわが増えるのと同じで、誰にでも起きます。加齢以外に、糖尿病や外傷が原因の場合もあります」
―症状は。
「徐々に見えにくくなりますが、最初から視力が落ちることはあまりありません。人によっては、まぶしさを感じることから始まります。西日などがまぶしいようなら、白内障を疑ってみるべきでしょう。視力が日によって違うなど、見え方に安定感がなくなることもあります」
―治りますか。
「いったん濁った水晶体は、残念ながら元に戻せません。症状が軽いときは、点眼薬で進行を遅らせる。症状が進むと、水晶体の替わりとなる眼内レンズを入れる手術が必要になります。角膜を3、4ミリ切開し、濁った水晶体を超音波で砕いて吸引、その後に小さなレンズを入れます。通常は、局所麻酔で手術は15分程度、その日のうちに帰宅できます」
―手術するタイミングは。
「はっきりした基準はありませんが、運転する人は視力が0.7を切ったら、隠居生活の人は0.4で、などとライフスタイルに応じて決めます。眼内レンズにピント合わせの機能はないので、近くを見ることが多いのか、遠くを見ることが多いのかによって、レンズの度を判断する必要もあります」(続く)
|