治療に新時代 骨粗しょう症に新薬

 
社会の高齢化に伴い、骨粗しょう症が急増。患者は既に一千万人を越えたとも言われている。  骨から失われたカルシウムを取り戻す治療は時間がかかるが、最近は病気に対する理解が進み、検診による早期発見も多くなってきた。  一方、経口の新薬も発売され、骨量を増やす確実な効果が期待できるようになり、骨粗しょう症の治療は新時代を迎えている。

▽バランスの崩れ
 この病気は加齢や閉経、偏食などにより、骨のカルシウム量が減り、骨がもろくなるため、つぶれて背骨が曲がったり、転倒した際の骨折が多くなる。  「最近は自分の骨量を知っておきたいと検診を受けて引っかかり、治療に来る人も多くなった」と東京都老人医療センター内分泌科の細井孝之医長は話す。  体内の骨は、常に古い骨が壊され、常に新しい骨が作られる。このバランスが崩れて壊される骨が多くなると骨粗しょう症になる。

▽最終目標は骨折予防
 治療の基本は、食事や運動などの生活習慣の是正だ。「治療の最終的な目標は骨折の予防」。そのために減少した骨の量を増やしたり、骨を強くする。  薬を使った治療は、骨折の有無やエックス線所見、骨量、骨代謝マーカーなどから総合的に判断して決められる。骨代謝マーカーからは、骨の形成と破壊の活性の度合いが分かる。  通常、骨量低下の度合いが弱く、骨折がない人の場合、腸でカルシウム吸収を促進する活性ビタミンD3や、骨の形成を促進するビタミンK2などの経口ビタミン製剤が使われる。  骨量は1―2%の増加が見込まれ、それほど上昇するわけではないが、骨折は使用しない時と比べて半分程度に減少することが分かっている。  閉経から間もない50代の女性で更年期障害もある場合には、女性ホルモンの補充療法(HRT)も選択肢の一つとなる。

▽アレンドロネート
 骨折があるか、骨量が非常に低い場合、骨代謝マーカーが骨破壊の高進を示す場合などに使われるのが「骨吸収阻害剤」だ。体内の骨の破壊(骨吸収)を抑制して、骨の形成だけを優先させて骨を強くする薬だ。  これまでも同様の薬はあったが、昨年夏には副作用が少なく、一段と優れた新世代のアレンドロネートが発売され、大きな効果が期待されている。骨量を年間5%ほど上げるとともに、骨折の確実な予防効果が確認されている。  細井医長は「この1、2年、よい薬が出てきて、治療法が選べる時代になってきた。しかし、新薬が必ずいいというわけでない。これまでの治療法でよい効果が得られる人はそのままでよいし、効果が足りない場合は新しい薬剤を順次試していく」と話している。

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