『うつ病 4』

専門医に相談を 
張賢徳・帝京大助教授

 

―「抗うつ薬SSRIの服用者にかえって自殺が増えたとの指摘がありましたが

 「「薬理学的にはその可能性はあります。抗うつ薬が自殺願望を起こすのではありませんが、効果が表れるまでに約二週間必要で、その間は逆に神経伝達物質のバランスが崩れてもともとあった不安感が増し、衝動的に自殺を図る恐れがあります。ただ、こういう例はせいぜい全体の数%です」

 ―どうしたらいいのでしょうか

 「その間だけベンゾジアゾピン系の抗不安薬を併用します。この薬は即効性ですし、その程度の服用なら依存性の問題も出ません。抗不安薬の使用量が多い日本では、期せずしてこの併用策を取っていることが多く、抗うつ薬による自殺の問題は聞きません」

 ―最近は自己診断用チャートもありますが、設問への回答に迷います

 「うつ病になると考えが悲観的になり、悪い方を選びます。『どちらだろう』と考える余裕があれば、まだ病気のレベルではない。気分の落ち込みや不眠、出勤のつらさは誰にもあること。でもテレビを見て笑えたり、休みに遊びに行ったり、飲みに行けたりするうちはうつ病ではありません。ただSOSを出しているかもしれませんので、放置しないことです」

―不安を感じるようになったら専門医に相談することですね

 「そうなんですが、首都圏ですら、少し離れると精神科や心療内科が無いところがあります。当然、家庭医の先生に診てもらうことになります。最近は家庭医でもうつ病に詳しい方が増えましたが、抗不安薬で症状が隠れている場合など、難しい症例もあります。今後は家庭医の先生方に今以上に精神科の知識を持ってもらうことが一層重要になると思います」

 


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