介護期間少しでも短く
抗老化へNPO法人設立

 老化を少しでも遅らせるための医療確立を目的に、このほど「アンチエイジング(抗老化)ネットワーク」(理事長、塩谷信幸・北里大名誉教授)が特定非営利活動法人(NPO法人)として設立された。
 最近、抗加齢医学というと成長ホルモンなどを用いる「ホルモン補充療法」を指すことが多いが、同ネットワークは「まだ評価が定まっていない」として慎重な姿勢。
 設立会見で、塩谷理事長(形成外科)は「老化を遅らせ、要介護期間を短くする基本は、バランスの取れた食事と適度な運動。女性の皮膚の若返りという範囲をさらに拡大し、男女の体全体を見据えた抗加齢医学を視野に入れて活動したい」と述べた。
 当面、50-70歳の年代を対象に、生活の質(QOL)を高めるよう、医学を軸に幅広くサポートしていく予定。
 ▽インターネットで情報提供
 活動はインターネットのホームページ http://www.anti-ageing.jp/で情報提供するほか、公開シンポジウムや研究会などの開催を行う。
 続いて開かれた第1回公開シンポでは、米ミシガン州立ウェイン大の橋本健・名誉教授(皮膚科)が「毎日自分で見える皮膚は気になるが、年とともに真皮が薄くなり、血管が透けて見えるようになる。加齢は一目瞭然(りょうぜん)」などと講演。
 湘南鎌倉総合病院(神奈川県)形成・美容外科の山下理絵部長は「肌の若返り」と題して、抗老化のためのしみやしわ、たるみの治療を紹介。
 「しみは見た目は同じように見えるが、いろいろなものがあり、治療法が異なるので診断が大事。老人性色素斑(はん)ならレーザーで1日の治療で終わる。しわは、部位別に治療法を決める。手術やレーザーなどの方法がある」と解説した。
 ▽カップル文化をいかに育てるか
 副理事長で、日本臨床男性医学研究所長の熊本悦明・札幌医大名誉教授は「性の若返り」と題し、「高齢社会を迎え、カップル文化をいかに育てるかが問題」とした上で、「50歳以降の性は、生活の潤いの場。生殖年齢時の動的な性と比べると、生殖年齢を過ぎた後の性行動は静的な性の喜び。つまり、スキンシップの喜び」と指摘。
 さらにアンケート結果を紹介、「男性は年を取っても妻を“恋人”と思っている割合が比較的多いが、女性は夫を“同居人”としか思っていない人が多い。更年期になったら、お互いを理解し合って、ペアで生きていくことが大切」と話した。
  
 

ヘッドラインへ戻る

記事、写真、グラフィックスの無断転載を禁じます。
2003 Kyodo News (c) Established 1945 All Rights Reserved