リウマチの新薬に大きな期待
 
かつて「治らない」とあきらめられていた関節リウマチの治療に明るい光が見えてきた。関節の病気とされたきたリウマチが自己免疫の病気ということが分かり、さらにそれがリンパ球によって起こることが最近、詳しく分かってきたからだ。現在、日本でも治験中の数種類の新たな抗リウマチ薬の効き目は素晴らしく、実際に治る例も増えてきているという。

▽自分の体を攻撃

 関節リウマチは、一カ所の関節にとどまらず、全身の関節、さらに関節以外の骨や肺、心臓、皮膚などさまざまな組織破壊が進んでいく。リウマチは全身の病気なのだ。  リウマチは、古くからある病気で、長い間、人類はその痛みに苦しめられてきたが、自己免疫の病気ということが分かってきたため、やっと展望が開けた。  「免疫」というのは、体に外から異物が入ってきた際に、それを見分けて攻撃、破壊し、体を守るシステム。自己免疫の病気では、このシステムが狂い、自分の体を「異物」と見間違えて、攻撃してしまう。

▽リンパ球が活性化

 リウマチでは、白血球の一つであるリンパ球が異常に活性化して、自分の体を攻撃する抗体を作らせる命令を出してしまう。  このリンパ球は抗体とともに、主に関節の滑膜を攻撃するために、炎症を起こし、腫(は)れや痛み、さらには組織の破壊へと進行する。  現在、リウマチの治療は、炎症を抑える抗炎症薬と、リンパ球の活性化を抑える抗リウマチ薬の二本立てが一般的だ。  「抗炎症薬だけでは、裏で油が注がれている火事に水をかけているようなもの。もとになっている油を抑えるのが抗リウマチ薬」と産業医科大(北九州市)第一内科の田中良哉教授(臨床免疫学)。

▽「ものすごく効く」

 現在、使われている抗リウマチ薬はブシラミン製剤など約十種類ある。  「今の抗リウマチ薬も、うまく使うと、治る人も結構いる」と田中教授。「しかし、現在、治験中の新しい抗リウマチ薬は“ものすごく効く”と言ってよい」と話す。  進行中のリウマチも、そこで止まり「明らかに治ったとしか言えない患者さんが少しずつ増えている」(同教授)。  現在使われている抗リウマチ薬が合成薬剤であるのに対し、治験中の新薬は生物学的製剤とか抗サイトカイン薬と呼ばれる。体内でリンパ球が活性化されるメカニズムを逆手にとって、リンパ球が身動きできないように直接抑え込んでしまうからだ。既に米国で発売されているものもある。  田中教授は「リウマチは治る病気になりつつある。新しい抗リウマチ薬で治療の著しい進歩が期待できる」と話している。

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