脂肪の蓄積を強く抑制
リンゴの渋味成分

 店頭に新鮮なリンゴが並ぶ季節になった。リンゴに含まれるポリフェノールには、コレステロールや中性脂肪を下げるなど、体に良いさまざまな働きがあることが分かっている。最近、このリンゴポリフェノールの中の「プロシアニジン」に、体内への脂肪の蓄積を強く抑制する働きがあることが明らかになり、肥満予防効果に一段と期待が高まっている。

 体内の酵素50%以下に低下

  リンゴ1個には150―200ミリグラムのポリフェノールが含まれ、渋味や香りの元になっている。  「これまでの動物実験で、糖からつくった脂肪を体内に蓄積するのを抑え、さらに腸で脂肪の吸収を阻害して体外に排出し、お通じをよくする働きがあることが分かってきた」と弘前大農学生命科学部の長田恭一(おさだ・きょういち)助教授(栄養化学)。
 今回、リンゴポリフェノールの約半分を占めるプロシアニジンを抽出して効果を調べた。
 普通に飼育すると肥満と糖尿病を発症するラットを3つのグループに分け、一群には普通の飼料、残る二群にはリンゴポリフェノールと抽出したプロシアニジンを、それぞれ飼料に1%混ぜて与えた。
 九週間後、体重増加は普通食群とリンゴポリフェノール群はほぼ同じだったが、プロシアニジン群は増加分が3%強少なかった。
 さらに体脂肪で見ると、普通食群に比べリンゴポリフェノール群は約7%、プロシアニジン群は約10%減っており有意な差があった。
 糖から脂肪を合成する体内の酵素の働きを調べると、普通食群と比べ、リンゴポリフェノール群では80%に、プロシアニジン群では50%以下に低下しており、特にプロシアニジンが脂肪の体内蓄積を強力に抑えることが裏付けられた。

 ▽健康補助食品として開発も

 長田助教授は「人でも同様の効果が得られそうだ。普通にリンゴを食べる場合、リンゴポリフェノールの量は限られるが、継続的に食べていれば体調も良い方向に向かうだろう」と話している。
 リンゴポリフェノールは、未成熟なものや青いリンゴの方が多く含まれており、ジュースなら一缶でリンゴ2―3個分が取れる利点がある。
 またリンゴからリンゴポリフェノールやプロシアニジンを抽出することは比較的容易で、健康補助食品としての開発も進められているという。

 


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