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初のアニマルセラピー 岐阜県の事業で実現 |
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かわいい動物との触れ合いを病気の治療やリハビリに生かすアニマルセラピー。日本でも普及し始めているが、まだ老人ホームや障害者施設などに限られている。そんな中、日本で初めて病院の入院患者を対象に犬を使ったアニマルセラピーが岐阜県瑞浪市で導入され、効果を検証する試みが始まった。来春には、がんの緩和ケア病棟への導入も予定されている。 ▽10頭の犬が参加 ![]() 今回の取り組みは、静岡県立大看護学部助手の熊坂隆行(くまさか・たかゆき)さん(成人・老人看護学)がコーディネーターとなり、アニマルセラピーに積極的な岐阜県の「岐阜県東濃地域アニマルセラピー活用推進事業」の一環として実現した。 これまで熊坂さんは、アニマルセラピーを新しい看護システムとして日常の看護の現場に導入しようと研究活動を続けてきた。 しかし、動物では感染症対策やアレルギー、事故などの問題があるとされたこともあり、アザラシ型人工知能ロボット「パロ」や福祉玩具の「おともだちっくワンちゃん」などを利用して癒やし効果を検証してきた。 動物の場合、獣医師の診断を受けてOKならば、アニマルセラピーに使うことができるのだが、日本ではその点の理解がまだ進んでいない。 初の導入となったのは精神神経科が専門の大湫(おおくて)病院(江口研病院長)。 この日のアニマルセラピーには、岐阜県内の犬愛好家でつくるボランティアグループが協力し、ゴールデンレトリバーやシバイヌ、ヨークシャーテリアなど10種10頭が“お手伝い”。 ▽気分が改善 患者側は、入院患者のうち、希望者22人(25?72歳、男性9人、女性13人)が参加。15人が見学した。 犬との触れ合いが始まると、あちこちで笑い声が上がり、「かわいい、かわいい」とほおずりして抱き締めたまま離さない人や、顔をなめられて喜ぶ人など、和気あいあいとした中で動物との交歓が続き、予定していた40分があっという間に過ぎた。 今回の効果検証に向け、参加者には、アニマルセラピーの前と後、笑顔から悲しい顔まで20段階に分かれた顔の表情から1つを選んでもらう「フェーススケール」 (普通が10と11、気分最高が1、最悪が20)で、参加者のそのときの気分の状態を示してもらった。 同時に医師による診断を行い、体温と血圧、脈拍を計測した。 結果は、フェーススケールでは実施前は平均7・8だったが、実施後は同4・0にアップ。明らかに気分の改善がみられた。 生理的な評価では、体温と血圧はほぼ変わらなかったが、脈拍は実施前後で平均83・6が79・7まで下がった。 ▽「かわいかった」 ![]() 「生理的評価では、あまり変化は出なかったが、脈拍の低下は精神的な余裕や気分的な安らぎが表れたと判断できるのではないか。セラピーを続けていけば、データが出てきそう」と熊坂さん。 「いつもは黙り込んでいる患者さんが、今日は喜んでいる姿を見せた」と話す看護師もおり、アニマルセラピー終了後の閉会式では、参加者らは口々に「かわいかった」と感想を述べ、中には「早く家に帰りたくなった」と積極性に向上がみられる人もいた。 熊坂さんは「病院内で動物との触れ合いを求める患者さんはたくさんいる。今回は精神神経科の病院ということもあり、感染症の問題は軽微で、初期段階としては適していると思う。今はボランティアの力を借りているが、自分が飼っていた動物と院内で過ごせるようにすることが目標」と話している。 |