「思ったよりも簡単」
AEDの大規模講習会

 「取り扱いは思ったより簡単」―。7月から一般市民が使えるようになった自動体外式除細動器(AED)。心室細動を起こした心臓に電気ショックをかけて心拍を正常に戻す装置で、年間約4万人もいるとされる心臓突然死を減らすことが期待されている。AEDの大規模な講習会がこのほど東京の日本武道館で開かれ、心臓病の患者家族約800人が操作を体験した。
  ▽重さ2-3kgの小さな装置
 AEDは縦横20-30cm、重さ2-3kgの小さな装置。参加者らは数人ずつのグループに分かれ、練習用の人形を患者に見立て、救急医や救急救命士の指導を受けた。
 倒れた人を見つけたら最初にすることは意識の有無の確認。意識がなければ近くの人に119番を頼み、人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生(そせい)法を始める。AEDを使わない場合は心拍が再開しない限り救急隊が到着するまで蘇生法を続ける。
 だが、心肺停止状態になると毎分1割ずつ救命の可能性は減っていく。消防庁によると、通報を受けてから現場に救急車が到着するまで平均6・3分。近くの人が蘇生法を実施すると救命率は少し高くなるが、1カ月後の生存率は5%に満たないのが現状だ。
 これに対してAEDがあれば救命法は大きく変わる。蘇生法開始までは同じだが「AEDを持ってきてください」と頼むのを忘れてはいけない。AEDが来たら心臓マッサージをしていても途中で止めてAEDの使用を優先することになる。
 
 ▽心肺停止の8割は家庭で
 使い方は初めての人にも分かりやすいように工夫されている。電源を入れた後は、装置から聞こえる日本語のメッセージに従って操作するだけ。患者の胸に電極を張る位置も図示されている。
 装置は自動的に患者の心電図を解析し、電気ショックが必要と判断すると「患者から離れて点滅ボタンを押してください」と指示を出す。それに従いボタンを押すと電気ショックが実行され、効果があったがどうか、装置が再び解析する。
 東京都の主婦杉本玲子(すぎもと・れいこ )さんは父親が心筋梗塞(こうそく)で倒れたことがあり、緊迫感を持って講習に臨んだ。「AEDの取り扱いがこんなに簡単だとは知らなかった。早く普及してほしいし、できれば自宅にも備えたい」と杉本さん。
 講習会を主催した東京都CCU(心疾患集中治療室)連絡協議会は「突然の心肺停止の8割は家庭で起きるとされる。価格は30万円前後とまだ高いが、AEDが自宅にあり早く除細動できれば救命の可能性が高まる」としている。


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