変形性関節症の予防を
減量やコンドロイチンで

 年齢とともに関節の軟骨がすり減り、日常生活に大きな支障が出る変形性関節症。国内では関節リウマチの約十倍の7百万―1千万人の患者がいると推定される。中でも多いのがひざ関節症で、毎年90万人が新たに発病するとの報告もある。
 関節リウマチに比べ、有効な治療法がないのが現状。ハシモトクリニック(東京・代々木)の橋本三四郎(はしもと・さんしろう)院長は、運動による筋力アップや減量、コンドロイチンやグルコサミンの摂取による予防を呼び掛けている。

 衝撃緩和

  関節で最も重要な働きをするのが軟骨。厚さ約五ミリで、ヒアルロン酸に糖の一種のコンドロイチン硫酸などが結合した複雑な高分子が、コラーゲン線維の骨組みに絡み付いてできている。
 コンドロイチンは軟骨と軟骨の間を満たす関節液を取り込み、圧力がかかると吐き出すことで、衝撃緩和や軟骨保護に重要な役割を果たす。
 常に体重がかかるひざ関節の軟骨が、長年の荷重や外傷で傷ついて起きる変形性ひざ関節症の初期は、階段の上り下りや動き始めに痛む程度。だが末期には日常生活に支障を来し、人工関節手術が必要になる。
 欧米では治療にコンドロイチンやグルコサミンが広く使われている。「欧州では医師の治療の第一選択薬。米国ではサプリメントとして市場に出ているが、専門医もよく使っている」と橋本院長は話す。

 ▽減量と脚の筋力アップ

 日本では「健康食品」としてのイメージが先行し、治療に使う医師は少ないが、痛みの除去についてはさまざまな研究報告が出ているという。米国立衛生研究所も五年前から大規模な臨床試験を実施中で、近く報告がまとまる見通し。
 「経口摂取や皮下注射では炎症を抑え、痛みをとる程度だが、関節に注射すると軟骨のすり減りを抑える効果も確認されている」と橋本院長。
 一日に800―1500ミリグラム取る必要があり「食物からの摂取は量的に無理」という。効果が出るのに一カ月程度かかるが、同クリニックでは幅広く使用。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤も使い、徐々にコンドロイチン単独に切り替えるという。
 予防効果はまだ確認されていないが「予防効果を持つ可能性があるのは今のところこれだけ。副作用もないのでのむ価値はある」と橋本院長。同時に「早期の段階で減量と脚の筋力アップを図ることが予防のこつ」と話している。

 


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