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『予防医学 5』 医療従事者の能力向上を 荻野景規金沢大教授 |
―予防医学の今後の課題には何がありますか 「まずは教育。人材育成ですね。国の事業を地方に移譲する大きな流れの中で、健康関係も県や市の比重が高まります。そのため医療従事者や保健所職員らの実務能力の底上げが必要です」 ―どういう能力が必要でしょう 「極端に言うと、これまでは国の指示を一律にやっていればよかった。でも風土が、産業構造が、そして人口構成が違う、地域ごとに課題は異なります。その地域で健康に関するどのような問題があるかを把握し、その解決策を立案する問題意識と実践的な能力が必要です」 ―その方が住民の健康維持に効果的ですね 「そのため、わが国では既に、保健医療分野の専門職大学院が二大学に設置されています。米国では医学部とは別に公衆衛生大学院があり、その卒業生が地方の医療行政を率いています。医療制度の円滑な推進には、単に科学中心の医学だけでなく、社会医学を中心にしたいろいろな知識が必要だからです」 ―ほかには 「予防医学の実践手段としてのシステム作りと、研究が挙げられます。問題は地域ごとに微妙に異なるので、それに合わせたシステム作りや研究をするべきです」 ―その中で日本予防医学会としては何を 「現在、各診療科のほか、基礎医学、薬学、農学の先生ら約二百七十人が参加しています。横のつながりを深め、各地域を回って予防医学の底上げをするとともに、地域の問題の掘り起こしに努めたい。現在、大学の医学教育の中にも予防医学はほとんどないのが現状です。治療を担う臨床医学とともに、予防医学を医療の一方の柱としてきちんと確立させたいと思います」
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