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肺機能を持続的に維持 欧州などで発売始まる |
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たばこが最大の原因とされ、今後も患者数の増加が予想される「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」(COPD)に対し、海外で新しい治療薬の使用が始まった。肺の機能を持続的に維持できることが特徴で、標準的な治療法でも推奨薬に位置付けられている。日本では現在、厚生労働省の承認待ちの段階だ。 ▽息切れが主症状 ![]() COPDは、気管支に炎症ができたり、気管支の先の肺胞がつぶれるなどして、肺への空気の流れが慢性的に悪くなる病気。これまで慢性気管支炎や肺気腫などと呼ばれてきた病気を、そうした概念で整理した。 階段を上った後などの動作をした際に、非常に強い息切れがするなどの症状が特徴的。症状は進行性で完全に元に戻ることはないとされる。 世界では死因の4位を占め、米国の研究者の試算では、この病気による経済的負担は、米、英、ドイツ、日本など8カ国で年間最大で250億ドル(約2兆7500億円)に上るという。 現在は、男性が女性の2倍の患者数だが、喫煙人口の増加や、家庭内での化学物質へのばく露によるものが顕在化し、今後女性でも増える可能性がある、との研究結果もある。 治療としては、禁煙が第一。症状に合わせて薬による治療も行う。 ▽1日1回吸入 新たな薬は、抗コリン剤という種類の「チオトロピウム」。これまでは、効果の持続時間が短い薬しかなかったが、この薬は長時間持続するため1日に1回の吸入でよく、昨年から欧州などで発売された。 COPDの急性増悪の頻度を減らす効果もあり、比較的早い段階から長期間使えるとみられ、35カ国で6千人を対象とした4年間の追跡調査が始まっている。 今年9月にオーストリアで開かれた欧州呼吸器学会で、米タフツ大のバルトローム・チェリ教授は「長期間安定的に気管支を拡張する作用があり、肺機能の改善などの効果が大きい」と強調した。 こうした治療を受けるには、正確な診断が不可欠だ。ドイツの男性患者(45)は、2001年、息切れがひどいことなどから病院を受診したが、ぜんそくと診断され、炎症を抑えるステロイドを処方された。8カ月間飲み続けたが改善せず、別の医師にCOPDとの診断を受けた。 ▽患者は5百万人以上 ![]() チオトロピウムを服用し「症状が改善して、外を出歩くように、心理的にも明るくなった」と言う。 標準的治療では、ステロイドは症状が重い場合に使うが、それ以前は気管支拡張剤が優先される。この医師は「ぜんそくとCOPDでは治療法が違う。医療従事者の認識も高めないといけない」と話す。 欧州では、COPD患者のうち75%は未診断と推定され、日本でも5百万人以上の患者がいるとみられるが、実際に治療を受けているのは約21万人にとどまる。 このため、40歳を超え、喫煙歴やほかの呼吸器の病気の経験がある場合は、COPDの可能性を考え、詳細な検査が必要だという。 日本では、約360人を対象とした臨床試験で、有効性、安全性を示す結果が得られたとして、チオトロピウムを開発したべーリンガーインゲルハイムは昨年6月に厚生労働省に承認申請している。 |