思春期の性教育促進を
泌尿器科医の研究会発足

 若年層での性感染症のまん延に比べ、立ち遅れている性教育の現状を何とかしようと、全国の泌尿器科医の有志が「思春期性教育・性感染症研究会」を設立、このほど東京都内のホテルで第1回会合を開いた。  この問題ではこれまで、どちらかというと産婦人科医の活動が活発で、女子生徒向けの対策が先行しており、感染の環の一方に位置する男子生徒の対策も、と泌尿器科医が立ち上がった。

 医師36人が参加

  研究会は男女の体や心の違い、性感染症の怖さ、予防法としてのコンドームの使い方などを詳しく説明した講演用の標準的なスライドセットを作成。医師に提供するほか、情報交換の活発化で、地域により格差のある思春期の性教育や性感染症対策を全国的に促進するのが目的だ。
 初会合には各地のリーダーとなる医師36人が参加。事務局が作成したスライド案を基に、内容について活発な討議を繰り広げた。
 各地の状況も紹介された。24時間対応の「思春期ほっとダイヤル」を開設している神戸市からは、昨年4月からの9カ月間に1907件の相談が寄せられたほか、医師ら専門家が中学校に出向いて性教育をする「デリバリー授業」で、昨年度は49校、約7000人の生徒が受講したとの活動成果が報告された。
 一方、県の青少年保護育成条例で未成年へのコンドーム配布を禁じている例など、現実と乖離(かいり)した規制の壁に直面する地域の苦悩も紹介された。
 石川県では既に1年前に同様の組織を設立。泌尿器科医だけでなく産婦人科医や保健所職員らが活発に活動している。

 ▽男性に目が向き始める

 さらに金沢大医学部の学生が、同じ若者の口から性教育をするサークル「シンク・アバウト・ユアセルフ」を結成、県内の高校で授業を実施。「ざ・さんば」という看護師グループも若者の相談に答えており、これらが連携して動いている。
 研究会の呼び掛け人で、事務局も担当する金沢大の並木幹夫(なみき・みきお)教授は「各県でも同様の組織をつくって活動してもらうと大きな力になる。少子高齢化の中、これからの日本を支える若者の危機を今、食い止めないと大変なことになる」と話す。
 幹事の熊本悦明(くまもと・よしあき)・札幌医大名誉教授も「更年期対策も思春期対策も、ようやく男性に目が向き始めた。性感染症や人工中絶も最近、減少傾向が見られる。この機を逃さず、各地で活動を強化してほしい」と訴えている。

 


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