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閉塞性動脈硬化症に効果 関西医大など3病院 |
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自分の骨髄から取り出した血管のもとになる幹細胞を、慢性閉塞(へいそく)性動
脈硬化症など、足の血管が詰まる疾患の患者に移植して血管を再生する臨床研究が関西医大病院(大阪府守口市)などで効果を上げている。朝、骨髄を取り出すと、午後
2時すぎには幹細胞移植が終了する簡便な「再生医療」で、患者に負担も少ない点が
特徴だ。 今年8月には、同病院と久留米大病院(福岡)、自治医大病院(栃木県)の3施設 が高度先進治療として認めるよう同時に申請している。(2003年6月に認可された)
▽45人に実施関西医大で幹細胞移植を実施しているのは第二内科の松原弘明助教授、臨床検査医 学の正木浩哉講師らのグループ。従来、けがなど血管が障害されたときに、血管の内 皮細胞が増殖して血管が修復、新生されると考えられていたが、4年前、実際には血 液中にある造血幹細胞が患部に集まって、血管を作っていくもう一つの仕組みがあるこ とが分かった。 松原助教授らは、この幹細胞を治療に応用しようと研究を開始。ウサギなどの疾患 モデル動物に、血管の内皮細胞になる幹細胞を移植、血管が新生することを確かめ た。 一昨年1月には学内の倫理委員会で承認を受け、糖尿病に多い慢性閉塞性動脈硬化 症や局部的に血管が詰まるバージャー病などの患者を対象に、これまでに3病院合わ せると45例(平均66歳、男38人、女7人)に幹細胞移植を実施した。いずれも 下腿(たい)部の血管が詰まり、激しい痛みや潰瘍(かいよう)に苦しむ重症の患者 だった。 ▽翌日に退院できそう 幹細胞移植は患者自身の骨髄の採取から始まる。 正木講師によると、患者は全身麻酔下でうつぶせの状態となり、骨盤の左右2カ所 に針を刺して、骨髄約500ccを採る。採取法は骨髄バンクの提供者の場合と同じ だ。朝9時から採取が始まると、10時半には終了し、患者は部屋に戻れる。 次は骨髄から血管内皮細胞のもとになる幹細胞を取り出す作業で、骨髄を遠心分離 器にかけて約2時間。免疫細胞の一種である単核球と、この幹細胞が一緒に混じって 濃縮され、約30ccが得られる。 あとは血管が詰まって血液の通り道が少なくなっているひざから下のふくらはぎの 筋肉を中心に1カ所0・5~1ccを30~40個所に等間隔に注射するだけだ。 「この作業に約30分。早ければ患者さんへの治療は午後2時には終了する」と同 講師。 現在、1カ月入院してもらっているが、実際に治療が始まれば、移植した翌日には 退院できそうという。
▽1カ月で効果この治療で通常、効果が表れるのは約1カ月後。治療前と比べて、足の皮膚温が上 がったり、血液による酸素の供給量を示す組織酸素分圧も上がり、痛みの自覚症状も 軽減することが多い。 悪い方の足に幹細胞移植を行い、症状が軽い他方の足には生理食塩水を同様の方法 で注射して効果を比べた25人の場合、1カ月後、全体で平均して、下肢の血圧が上 がり、血行が改善したことを示したのをはじめ、酸素分圧も約1・5倍に上昇、ト レッドミルで歩ける時間も治療前の1・6分から4・6分へ伸びた。 これに対し、生理食塩水では各指標ともほとんど変わらなかった。 この中で右足親指に大きな潰瘍ができていた患者は、治療2カ月後にはきれいに治 るまで回復した。 また、関西医大では、末しょう血から採取した幹細胞の移植も平行して実施してお り、骨髄の幹細胞には及ばないが、効果があることを確認。費用も安く、全身麻酔が できないような合併症を持つ患者に向いているとされている。 正木講師は「幹細胞を利用した再生医療については現在、厚生労働省が指針を策定 中で、高度先進医療の認可は指針策定後になるのではないか」と話している。 |