1日の摂取量目安は?
生活習慣病を防ぐ魚

 生活習慣病のまん延に拍車を掛ける食事の欧米化。これに対し、日本人が昔からよく食べてきた魚が、最近見直され、生活習慣病の予防に有効なことが分かってきた。健康が気になる平均的日本人として毎日、どんな魚をどのくらい食べればよいのだろうか。国立健康・栄養研究所生活習慣病研究部の江崎治(えざき・おさむ)部長に聞いた。
  ▽リスクが90%も減少
 ―データの裏付けは。
 「1昨年、米国で魚を摂取した人と、しない人を比べた2つの大規模観察研究が報告され、魚を食べる量が多いほど、特に心筋梗塞(こうそく)による死亡率が大きく低下することが示された」
 ―どんな調査か。
 「1つは2万人の男性内科医を17年間追跡した研究。この間、心臓病94人が突然死したが、保存してあった血液の脂肪酸を測定して調べた結果、魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのn3系不飽和脂肪酸の血液中レベルが多いグループは1番少ないグループに比べて、突然死の相対リスクが90%も減少していることが分かった」
 「もう一つは女性看護師を対象にした調査結果。魚の摂取量が週5回以上の人では、ほとんど食べないグループに比べて、心筋梗塞や狭心症などによる死亡率の相対リスクが45%も低かった」
 ―やはり、魚は体にいいと。
 「しかし、欧米の研究結果に基づいて、最も望ましいとされる魚の摂取量でも日本人の平均摂取量以下で、実際に日本人ではどのくらい摂取すればよいか判定できるデータはない」
 
 ▽タイの刺身が6切れ
 ―魚がなぜよいのか。
 「動物実験では、魚油は脂肪を燃やす『PPARα』という遺伝子を活性化させると同時に、脂肪の合成を下げることが分かっている。脂肪を摂取すると太ると思っている人が多いが、脂肪の種類によって違う。EPAやDHAには抗肥満効果や脂肪を燃やす効果がある」
 ―これらのデータを生かした目安を。
 「日本人の魚の平均摂取量や栄養所要量などから計算・推定すると、1日1・7グラムのEPAとDHAを取れば十分という結果になった。魚の種類によって含有量がかなり違ってくる。マグロの中トロが1番効率的かもしれないが、サンマなら1尾(60グラム)、タイで刺し身6切れ(45グラム)、ウナギなら2分の1くし(50グラム)などに当たる。日本人でいえば、魚をよく食べている人に当てはまる魚摂取量になる」



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