『結核-3


 薬を6カ月間服用 
森亨・結核研究所名誉所長

 


 ―治療について教えてください。
 

「昔は静養しかなかったが、抗生物質ストレプトマイシンが1940年代半ばに登場し、化学療法が可能になりました。現在は4種類の薬を2カ月、2―3種類を4カ月の計6カ月間服用します。70年ごろは治療に平均4年かかっていたので、ずいぶん短くなりました。薬を飲み始めて2週間で、せきや発熱などの症状はなくなり元気になります」

 ―それなのに6カ月も服用を。

「結核菌が体内からすぐに消えるわけではないので、しっかりと抑える必要があるからです。最初の2カ月は重要で、この期間を順調に過ぎれば外来での治療に移れます。ただ、症状がなくなったからといって服用をやめると、こじれたり再発したりします。また、菌が薬への耐性を持ち治療を再開しても薬が効かなくなる恐れがあります」




 ―きちんと飲むことが必要なのですね。

「そのために行われているのがDOTS(ドッツ)です。患者に薬を処方するだけでなく、患者が服用するのを見届けるなど医療側が支援する方式です。世界保健機関(WHO)が始め、発展途上国で治る人は40%だったのが、DOTS導入後は85%に向上し、先進国にも広がりました」


 ―日本でも取り組みが進んでいるようですが。

「薬を飲んでいることを家族に聞いたり電話で確認したりできる場合はいいのですが、それが難しい独り暮らしのお年寄りや路上生活の人などもいます。このため、病院が処方した薬を保健所が預かり患者に来てもらったり、保健師が家庭訪問したりする試みもあります。服用を途中でやめる人や病気がこじれてしまう人が約7%いるので、地域に合わせた日本版DOTSが重要です」


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