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日常の看護の中へ 心なごませる効果 |
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かわいい動物に触れると、病気の不安も忘れ、心がなごむ―。動物との触れ合いを治療やリハビリに生かす「アニマルセラピー」を取り入れる施設が増えつつある。 「でも、日本ではまだボランティアに頼っているのが現状。何とかアニマルセラピーを新しい看護システムとして日常の看護の現場に導入したい」と静岡県立大看護学部助手(成人・老人看護学)の熊坂隆行さん。ロボットや福祉玩具などを試みながら、本格的なアニマルセラピー導入に向けて研究を続けている。 ▽ワンちゃん ![]() 熊坂さんは既に3年前、アザラシ型癒やしロボット「パロ」を筑波大病院小児病棟に導入、癒やし効果を検証している。 「なぜ、ロボットかというと、動物では感染症対策やアレルギー、危害・事故などの問題があり、病院への導入はまだ無理と判断したから」 今回は、年配者を対象に福祉玩具を使って癒やし効果の研究を行った。 「子供では犬型ロボットの“アイボ”でも癒やし効果が得られたが、ロボットは高価で、年配者には扱いが難しい。金属製で冷たいというイメージもある」と熊坂さん。 日常の看護の現場に導入する場合、低料金で誰とでも遊べることが求められる。その点で福祉玩具「おともだちっくワンちゃん」=イワヤ製、5980円=の導入を思い付いたという。 ▽癒やし効果を評価 「ワンちゃん」は乾電池で動く子犬の玩具。手触りが柔らかで操作も簡単、反応も豊かだ。 鼻に光センサーがあり、光の変化で、人が近づくと「ワンワン」としっぽを振って首をかしげ、「お手」の声に「ワン」とお手をする。頭をなでると「クンクン」。「歌を歌って」と声を掛けると、体を揺らしながら、“犬語”で歌を歌う。 玩具セラピーは県内の透析専門の医療施設で8月下旬に実施。ロッカールームと休憩室に計6匹のワンちゃんをおいた。 対象は60―80代の通院患者計19人(男8人、女11人)。泣いた顔から笑った顔まで20段階に分かれた“表情の物差し”を用いて、現在の心の状態を表してもらい、効果を調べた(普通が10と11。気分最悪が20、気分最高は1)。 導入前では、気分最悪の20が2人。6―20に分布し平均は9・95。 「透析は一生もんだから落ち込むことが多い」「体調が悪いことが多い」との反応が多かった。 ▽最後は緩和ケアへ ![]() ワンちゃんをおいた最初の日。「気持ちいい」「かわいい」「家にいたらいいね」などの反応があり、平均は5・5までアップ。気分の改善が見られた。 透析の通院が9回前後になったころには、気分最高の1が9人に。平均3・37まで上がった。 「病気のことを忘れてしまった」「なでていると心が休まる」「癒やされる感じがする」という反応が多くなっていた。 「玩具でも効果が確認できたと思う。みんな表情が明るくなった」と熊坂さん。 一方、愛知県内の老人保健施設では、実際にビーグル犬を使って効果を見た。対象は女性10人。開始前の心の状態は同様に平均9・9だったが、導入後は気分の向上が著しく、全員が1から3までとなり、平均1・7まで急激に上昇。 「やはり、生きている動物の力はすごいと思った」(熊坂さん) 動物の場合、獣医師の診断を受けてOKならば、アニマルセラピーに使える。今回、初めて傷害保険を作ってもらった。1日2000円。最高1000万円までの補償。 熊坂さんは「動物の代用として玩具を利用しながら、最終的にはがんの緩和ケア病棟などへ導入したい」と話している。 |