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胃の内視鏡検査で苦しい思いをして「二度とごめん」と思っている人も多いはず。しかし最近は、検査に使うファイバースコープもどんどん細くなり、鼻から入れる製品も開発された。鎮静剤で患者が寝ているうちに検査する医療機関も増え、確実に楽になっている。専門医は「検査をちゅうちょしないで」と呼び掛けている。
▽苦手な体質も
長野県駒ケ根市の昭和伊南総合病院は現在、鎮静剤や経鼻内視鏡も駆使し、胃の内視鏡検査数は年間8千例にも達する。
「内視鏡を苦もなくのめるのは10人中1、2人。逆にひどく苦しむ人も同じぐらいい ます」と消化器科の堀内朗(ほりうち・あきら)科長。のどの咽頭(いんとう)反射が原
因で、若いほど反射が強く、苦しむことが多いという。
体調にも左右され、かいようがある人やたばこを吸う人は苦しむ傾向にある。医師 との信頼関係も重要で、かつての苦しんだ経験などの心理的要因も影響する。
このため米国では、以前から患者を鎮静剤で軽く眠らせて行う「セデーション」という 検査法が普及していた。しかし安全確保の人手や検査後の患者を寝かせるスペース
が必要で、国内ではなかなか広がらなかった。
▽直径5・2ミリも
堀内医師が赴任した1999年、伊南病院もセデーションは未採用。翌年、スコープ
を直径10ミリから7.7ミリに替え、検査数は年間3千5百件から5千件に急増した。 しかし「楽になった」と答えたのは高齢の人にとどまり、2002年には6.5ミリを採用
。それでも我慢できない人にセデーションを施すようになった。
ただ当時の鎮静剤は効果が完全に切れるまで4時間もかかり、検査後に交通事故などを起こす恐れがあった。その後、効き目が40分程度で切れ、米国で広く使われる麻酔導入剤「プロポフォール」を院内の倫理委員会の承認を受けてテストした上で、04年から使用。今ではほとんど全例に使用している。
昨年末にはオリンパスが開発した、経鼻検査も可能な直径5.2ミリのスコープも導入した。鼻から入れると咽頭反射は起きにくく、検査中に医師と話せるなど利点は多い。堀内医師は「開口障害がある人やアレルギーなどでセデーションが難しい人、嚥下(えんげ)機能を見たい場合などに適している」と話している。
▽安全性にも配慮
麻酔薬や鎮静剤で怖いのが呼吸抑制。過剰な投与で呼吸が止まり、気道確保ができないと死に至る。堀内医師は「投与量を抑えている上、プロポフォールは作用時間が短いため、1、2分の酸素投与で回復する」と安全性を強調する。
検査には医師1人と看護師2人が当たり、うち1人が患者の顔を見て意識状態を確 認、血中の酸素濃度を監視する態勢をとっており「幸い呼吸抑制は一度も経験して
いない」という。
ただ堀内医師は「万全の態勢が取れない個人病院などでは、細径スコープや経鼻 内視鏡の利用を考えるべきだ」と話す。
細いスコープはどうしても解像度が落ちる問題もある。だが、かつて伊南病院で胃 がんと診断された患者の60%は進行がんで、彼らは少なくともそれまでの五年間、
検査を受けていなかった。
堀内医師は「精度の問題はあるが、見るという点では差はない。まずは検査を受けてもらうことが大切。そのためには楽なことが重要」と強調。「検査で引っ掛かれば、
次は拡大鏡やハイビジョンを備えた高精度の内視鏡で調べればいい」と話している。
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