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さまざまな新しい方法が登場する近視矯正術。主流はレーザーで角膜の表面を削るレーシックだが、レーシックが苦手とする超高度の近視や角膜が薄い場合も治せる方法として、フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)手術が注目されている。コンタクトレンズのような小さなレンズを角膜の下に入れる方法で、レーシック同様に普及する可能性があるとい
▽夜もにじまず
眼内レンズでは、白内障で白く濁った水晶体の代わりに入れるものが知られている。これに対しフェイキックIOLでは、水晶体を残したまま、角膜と水晶体の間にレンズを入れる。
慶応大病院の坪田一男教授(眼科)によると、最大の特長は治せる近視の範囲が非常に広い点。近視などの屈折異常はジオプター(D)という単位で表されるが、レーシックで治せるのはマイナス10D程度の高度近視まで。フェイキックIOLはマイナス10D以上の超高度近視を対象として始まった。
ところがマイナス10D程度の近視で治療結果を比べると「見え方の質がフェイキックの方が良かった」と坪田教授。
高度な近視へのレーシックの場合、角膜を削る量が増えるため、夜間、瞳孔が大きく開くと光がにじんだように見える「グレア」などの症状が出る場合がある。
一方、フェイキックIOLは角膜を全く削らないため、視力の矯正量が大きくてもこうした症状が起こることは、ほとんどないという。
▽切開は3ミリ

手術では、眼内の圧力が上がるのを防ぐため、瞳孔の周囲に当たる虹彩に事前にレーザーで穴を開けておく。当日は局所麻酔をした後、白目と黒目の境界近くを約3ミリ切開。レンズを角膜の下に入れ、レンズ両端で虹彩の外側を挟むようにして固定する。
所要時間は15分程度で、入院する必要はない。以前はレンズを入れるために切開した個所を縫っていたが、折りたためる柔らかいレンズが登場して小さい切開で縫わずに済むようになってきた。
ただし、術後しばらくは、ごみや衝撃などから目を守る保護用の眼鏡をかける必要がある。 レーシックの場合、削った角膜を元に戻すことはできないが、角膜の表面の形を修正するだけなので感染の危険性が非常に低く、一度に両目の手術ができる。フェイキックIOLの手術は、ほかの目の手術と同様に片方ずつしかできない半面、問題が起きてもレンズを取り外すことが可能だ。
▽9割が満足
フェイキックIOLは1980年代にヨーロッパで始まり、米国では食品医薬品局(FDA)の認可を受けている。国内では公的な医療保険は効かず、費用は片目で40―50万円程度。
マイナス20Dを超すような場合は、完全には矯正しきれないが「あとでレーシックを併用すれば微調整できる」(坪田教授)。
坪田教授が手術顧問を務める南青山アイクリニックでは、99年からこれまでに400例以上を実施。平均視力は術前の0.02が術後は約1.0に改善し、約9割の患者が結果について「とても満足」または「満足」と答えた。
現在はレーシックが累計約4万例と圧倒的に多いが、超高度まではいかずレーシックの適応であってもフェイキックIOLを選ぶケースも増え始めているという。
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