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精神疾患で日本際立つ 家族会など改善求める |
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統合失調症の治療に使われる抗精神病薬などを一人の患者に何種類も投与する
「多剤大量処方」への批判が高まっている。治療効果が証明されていないばかりか、
副作用が強くなり患者を苦しめるケースも多いといい、患者の家族会や医療関係者は
協力して、患者に現状を抜け出してもらうための取り組みを始めている。 ▽検証すらなし
「組み合わせによっては、睡眠障害を伴う人などに併用が有効な可能性はある
が、二剤併用が単剤より薬効で優れていることは証明されていない。三剤以上では検
証されたことすらない」。稲垣中・慶応大精神神経科助手はこう話す。稲垣助手のまとめでは、日本国内でも一九七○年代は約40%が単剤処方だっ たが、割合は年々減少し、二○○○年には20%を切った。逆に、三剤以上の多剤 処方は全体の半数を占め、四剤以上も20%を超えるとの調査がある。 海外では、スペインや香港で多剤処方の傾向があるものの、米、英、イタリア などは大半が単剤、ほかの欧州の国も二剤までが中心で、国際的に三剤以上の処方を する国はほとんどないという。 ▽入院中心主義が背景 藤井康男・山梨県立北病院副院長の調査によると、患者の中には抗精神病薬や 抗うつ薬、睡眠薬など十五種類の薬を一日当たり五十錠処方された例もある。 「便秘や口の乾き、何もする気が起きずにおとなしくなってしまうなど、さま ざまな副作用が出るが、多剤処方ではどの薬が効き、どの薬に副作用があるか分から ない」と、藤井副院長。 背景には、日本の精神医療の大きな問題点である入院中心主義と、医療体制の 貧しさがあるという。 患者側の事情もある。患者や家族の相談を年平均三百件受けるという川崎市精 神障害者家族会連合会の小松正泰会長は「主治医に自分の薬のことを聞くのが怖いと か、聞くと薬を増やされるという不安が多い」と話す。 ▽簡単でない切り替え
抗精神病薬は九六年以降、効果の高さと副作用の少なさが特徴の「非定型(新
世代)」といわれるタイプが登場し、この薬を中心に処方を単純化した治療指針が
世界各国でつくられた。全国精神障害者家族会連合会は「副作用の少ない薬を選択できる可能性が 出てきた今こそ、大量処方の現状を改善し、自分に合った薬をできるだけ少ない分量 と回数、飲むようにするのが理想だ」と訴える。 しかし、切り替えは簡単なことではない。「今の薬が合っている人には不要な 場合もあるし、医師と患者の信頼関係のもと、時間をかけて進めることが大事。それ には、情報公開が不可欠だ」と、藤井副院長。 「新薬で問題が解決するわけではない。日本では、多剤処方にさらに新薬が加 わり一層複雑化したという例もある。この問題は日本独自のものといってもよく、わ れわれ自身で考えていくしかない」という。 |