「頭痛外来」増える
強い患者側の要望
慢性頭痛を診察・治療

 頭が痛いが、病院に行くほどでなし、市販薬を飲めばそのうち治まるだろう―。3、4人に1人は悩んでいるとされる片頭痛などの慢性頭痛。しっかり話を聞いて治療してくれる病院はないかと、患者側の要望は強いが、命にかかわるような異常がなければそれでよし、とされることが多かった。だが、そうした頭痛でも診察、治療する「頭痛外来」が増えてきた。
  ▽受診は3割
 「どんな患者でも、頭が痛いという人は1度は診察し、頭痛がなくなるような治療をするよう努力しています」
 鳥取県米子市の鳥取大病院。神経内科の竹島多賀夫講師は、同僚と2人で、毎週水曜日に「頭痛外来」を開いている。県内や隣接の島根県、岡山県のほか、関西、九州からも患者が訪れる。
 初診時には1人30分間以上、どういう頭痛なのか根掘り葉掘り聞く。今年4月の1カ月間では124人の患者のうち片頭痛が48人と最も多かった。
 鳥取大病院は、1963年に神経内科を開設した当初から頭痛外来を手掛けてきた“老舗”だ。
 頭痛などの患者はほかの地域に比べると病院で受診しやすいとみられるが、竹島講師らが同県大山町で調査した結果では、片頭痛患者のうち、病院で受診した人は3割しかいなかった。全国平均でも、受診者は3割にとどまるとされる。
 受診しない理由は「忙しい」「しばらく我慢すると治る」といったことだという。
 ▽新薬が次々登場
 「最も怖いのは、命にかかわるくも膜下出血などの頭痛。エックス線CTやMRI(磁気共鳴画像装置)検査で、その可能性の有無を確認する必要がある。しかし、そこで異常がないと、“それでおしまい”ということが多く、片頭痛などは治療されることがなかったので、患者は満足していなかった」と竹島講師。
 だが、この数年間で片頭痛の予防薬や発作の治療薬が登場し、治療の選択肢が増えた。生活に支障がない程度に改善させるという目標も、患者によっては達成可能になっているという。
 同講師は「片頭痛は治療が必要な病気。市販薬を数回飲んでも改善しないような場合は、医療機関での受診を」と話す。
 鳥取大病院は地域のかかりつけ医らとの連携も比較的順調だ。なかなか治らない患者を大学で担当する一方、治療方針が定まり、比較的症状の軽い患者は、かかりつけ医に担当してもらうことも日常化しているという。
 ▽ガイドライン整備へ
 大山口診療所(大山町)の久野宣年所長は「標準的な治療法の確立など、頭痛に取り組む中心施設があると、地域での治療レベル向上などの意味がある」と話す。
 山口大病院。(山口県宇部市)の神経内科は、片頭痛の治療薬が登場したことから、頭痛への取り組みを本格化、2001年9月には頭痛外来を始めた。週に1回の専門外来だが、頭痛患者はそれまでの7・4倍に増え、県内はじめ、福岡市などからも患者が来る。
 神経内科の根来清・助教授は「頭痛を専門に診る病院が少なく、悩んでいた患者が多かったようだ。頭痛治療のニーズは高く、地域でも頭痛を診る病院がもっと増えてほしい」と言う。
 専門医らは、医師への教育の中でも慢性頭痛はあまり重視されていなかったと指摘する。
 頭痛外来開設を奨励している日本頭痛学会理事長の坂井文彦北里大教授は「頭痛外来を開設して地域との連携もうまくできているところはまだ少ないが、少しずつ増えている。頭痛治療のためのガイドライン整備などに取り組みたい」と話している。

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