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新しい人工股関節手術 患者に優しく早期退院 |
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加齢とともに股(こ)関節の軟骨がすり減るのは避けられない。極端な場合は痛みを伴い動くことさえできなくなってしまう。こうした場合に威力を発揮するのが人工股関節手術だ。従来は1―2カ月間の入院が必要だったが、新しい極小侵襲手術(MIS)法では、2週間以下で退院できるようになってきた。 ▽手術してよかった ![]() 今年3月18日に平塚共済病院(神奈川県平塚市)でMISによる左足の人工股関節手術を受けた80歳になる女性の経過は極めて順調だった。午前中に手術、午後にはつえをついて立つことができた。翌日から歩行器を使って歩行訓練、2週間で退院できたという。 「最初はちゅうちょしたが、手術して本当によかった。今は関節など足の痛みはほとんどないので、気にしないで歩けるようになった」と女性。 この女性は、6月中旬から7月下旬にかけて九州や四国を1カ月以上旅行し、西日本最高峰の石鎚(いしづち)山にある神社にも参詣した。最近も120段の石段を上ったがなんともなかったという。病院内を歩く姿からも、人工股関節手術を受けたことが全く想像できなかった。 手術をした同病院整形外科の平川和男医師によると、MISでは、大腿(たい)部の股関節の近くを斜めに約6センチ切開し、その傷口からさまざまな器具を使って、人工の股関節に交換する。 ▽傷口が半分以下に ![]() 15―20センチの切開が必要だった従来の人工股関節手術と比べ、傷口は半分以下の大きさ。MISはその分、技術的に難しく、手術できる医師も限られる。さらに時間も長くかかり、手術をする医師の負担が大きい。 「それでも患者にとってはメリットは大きい。切開が大きいと、筋肉などを傷つけてしまうために、治癒するまでに時間がかかる。これまでの手術法では退院まで1―2カ月かかってしまう。入院費用もかさむが、MISでは全体でざっと100万円も安くなる計算」と平川医師は説明する。 同医師が手術を受けた20人を対象に実施したアンケートによると、これまで患者が感じた最も強い痛みを10として判定したところ、平均で手術1週間後に3.9、二週間後には2.2と痛みが和らぎ、6週間後には1.1と順調に回復。退院までの日数は平均で12.8日だった。。 ▽早期にリハビリ さらに、これまでの手術では、術後2、3日から2週間、ベッドの上で安静が必要で、歩行開始が3―6週間後だったのに、MISでは、翌日から車いす、歩行器などで移動、3―5日後には、つえを使って歩行が可能になり、痛みの少ない状態で早期にリハビリができる特徴があるという。 高齢社会の到来とともに増えている手術の1つが人工股関節手術。股関節の形成不全による二次性変股症や大腿(たい)骨頭壊死(えし)、関節リウマチなどの治療法として年間27,000例ほど実施されていると推定されている。 人工股関節のMISは、米国ジンマー社が中心になって開発、ここ数年、急速に実績を伸ばしているが、日本ではまだごく限られた整形外科医が取り組んでいるにすぎない。 「現在のところMISに適さない症例もあったり、技術的に難しいなどの欠点もあるが、何よりも患者に優しいのがMIS。手術法や器具の改良に取り組んでおり、今後取り組む医師が増えるのではないか」と平川医師は予想している。平川医師への連絡は電子メールでNJRC20044@aol.comまで。 |