肝炎医療費助成、1年半に
C型難治へのIFN投与
 C型慢性肝炎患者のインターフェロン(IFN)治療に対する医療費助成が4月から拡大された。難治性のケースで一定の条件のもと、助成期間がこれまでの「1年間を限度」から「1年半まで延長できる」になった。
 C型肝炎は、主に血液を介して感染するウイルス(HCV)が原因。「感染しても初期は大半が自覚症状のないまま進行し、25―30年で肝硬変になる。さらに、感染者の4割ほどは肝がんに至る」と、診断や治療に詳しい泉並木(いずみ・なみき)・武蔵野赤十字病院(東京)副院長。
 年間3万人を超す肝がんの死亡者のうち、8割ほどがHCV感染からのものだという。
 売血の禁止や輸血用血液のチェック体制が整備されるなどした近年、新たな感染は減り、過去に感染した人を検診などで見つけ早期に治療するのが国の対策の主眼。医療費助成もこの一環だ。
 HCVの排除を目指した薬物治療は、IFNと抗ウイルス薬「リバビリン」の併用で成功率が向上。現在は、従来のIFNに比べ効果が持続し副作用も減った「ペグインターフェロン」も加わっている。
 しかし、日本人のHCVの遺伝子型で約七割を占める「1b」といわれるタイプでは、ウイルス量が多い条件が重なると根治率が50%前後に下がる。難治性といわれるこうしたケースで、新たな治療法の確立が課題になっている。
 医療費の助成期間が延長されたのは、難治性患者へのペグインターフェロン・リバビリン併用療法で、国内外の最新の研究結果を踏まえた措置。
 2006年に発表された海外の論文によると、治療開始12週でHCVが消えていなくても、投与を72週続けると、48週で終える場合に比べ最終的なウイルスの排除率が12ポイント高まった。再発率も減少したが、重篤な副作用の発生率は増えなかった。
 「12週の時点でHCV陽性でも、ウイルス量が治療前の100分の1レベルになっていれば、投与を72週まで続けた方がいいというのは世界的合意だ」と泉さん。この考えが今回の助成期間延長にも反映された。
 実施に当たっては、国内の研究や検査法も考慮。36週までにHCVが陰性化し、延長が望ましいと医師が判断した場合とされた。
 医療費助成は、C型以外にB型肝炎も対象。実施主体は都道府県で、国と地方が半分ずつ財源を負担している。 (2009/05/26)

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