副作用の兆候、早期発見を
病気ごとにマニュアル整備
 重症薬疹のスティーブンス・ジョンソン症候群や薬物性肝障害など、副作用で起こるさまざまな病気は、兆候を放置せず早めに対応することが重要だ。厚生労働省は予防や治療に役立ててもらおうと、患者や家族、医療関係者向けの「重篤副作用疾患別対応マニュアル」の整備を関係学会に依頼して進めている。
 元の病気の治療に使われた薬自体に注目して副作用情報を集め、医療現場に随時、注意喚起するのが従来の安全対策。今回のマニュアルはこれとは異なり、副作用で起きる病気の側から、早期発見のポイントや症状、治療法などをまとめてあるのが特徴。
 発生頻度が低い重い副作用は、実際に現場の医師が経験する機会が少ない上、元の病気とは別の領域の臓器などで現れることが多い。医師でも初期症状を見逃し、重症化してしまう恐れがあることから、厚労省が新たな安全対策として2005年度から整備を始めた。
 例えば、目の粘膜や全身の皮膚に、発疹や、やけどのような水膨れなど激しい症状が現れるスティーブンス・ジョンソン症候群の発生は、人口100万人当たり年間1―6人程度。多くの場合、内科の治療で皮膚科や眼科の症状が出る。
 市販の風邪薬でも起きることが知られており、マニュアルは何らかの薬を飲んでいて、目の充血や目やに、まぶたの腫れなどが見られたら、すぐに医師、薬剤師に連絡するよう患者に呼び掛けている。医師向けにも、こうした症状が続いた患者は直ちに皮膚科専門医に紹介することなどを勧めている。
 「薬の服用から2週間以内に発症することが多い」など、早期発見の参考となる情報も記した。
 薬物性肝障害のマニュアルでは、多くの薬の代謝が肝臓で行われるために副作用としての肝機能障害が起きやすいことを強調。複数や規定量以上の服用で生じたり、アレルギーなどの体質によっては少量でも起きることを説明した。
 マニュアルは皮膚や肝臓のほかにも腎臓、血液などの領域を対象にしており、最終的に計19領域の100以上の病気を網羅する予定。医薬品医療機器総合機構のホームページで完成分から順次、公開している。  厚労省は「薬を服用していて気になることがあれば、このマニュアルを見て初期症状に注意してほしい」としている。 (2009/05/19)

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