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高リスク者特定しチェック 大阪の病院、超音波で |
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死亡率が高く、がんの中でも特に治療が難しいことで知られる膵臓がん。生存率を上げるには早期発見がカギになる。大阪府立成人病センター(大阪市)の田中幸子部長らのグループは、発病のリスクが高いグループを特定し、超音波を使って定期的にチェックする検診法を開発。成果を挙げている。 ▽難治がん
日本膵臓学会の集計によると、膵臓がんの5年後の生存率は約10%と低く「難治がん中の難治がん」とも言われる。膵臓は腹部の深いところにあり、厚みもないため画像診断が難しい上、胃や腸のように内視鏡で簡単に組織を調べられないため、早期発見が難しいことが大きな理由だ。「上腹部の不快感を訴えても胃炎などと診断され、数カ月後に黄疸が出たり体がやせたりして、初めて進行した膵臓がんだと分かる場合も結構ある」と、田中部長。 一方、ステージ1という早期の段階までにがんが見つかれば、5年生存率は60%以上と高くなる。早期に見つかれば、再発もなく完全に治る患者もいるという。 ▽主膵管に着目
効果的な検診法確立を目指し、田中部長が着目したのが、がんができる前に起きる膵臓内の小さな異変。がんと診断される数年前の超音波診断画像を調べたところ、膵臓の中を走り膵液を十二指腸に運ぶ「主膵管」が通常に比べて少し太かったり、膵臓内に液体のたまった袋状の嚢胞ができたりするなど、異常が多いことが分かった。この研究成果をもとに、同センターは1998年から超音波を使った膵臓がん検診を開始した。 人間ドックなどで膵臓が腫れているなど何らかの問題が見つかった人を対象に、通常1・5ミリ程度の主膵管が2・5ミリ以上と太くないかや、嚢胞ができてないかなどを20分以上かけて入念に観察する。 異常が見つかればさらに、造影剤を使った超音波検査や、膵液の組織を採取するなどしてがん細胞の有無を調べる精密検査を追加する。 主膵管が太い人や嚢胞のある人は、検査で異常がなくても将来膵臓がんになるリスクが通常より高いと考えられることから、同センターは6カ月ごとに検診を受けるよう勧めている。 ▽41%が早期
田中部長は膵管拡張や膵嚢胞の患者1039人を平均5・6年間追跡して経過観察した結果、17人に膵臓がんが発見され、このうち11人のがんが手術で切除された。17人中7人(41%)はステージ0か1の段階でがんが見つかった。通常、この段階で見つかるのが2%に及ばないのに比べ、早期発見率は高かった。 主膵管の拡張、または嚢胞のあった人は、どちらも認められなかった人に比べ発症リスクは約3倍。さらに、両方ある人では約27倍に高まり、年平均1%以上と高率で膵臓がんを発症することが分かった。 当初は周囲の専門家から「超音波で膵臓を見るのは難しい」と効果を疑問視する声もあったが、最近は「検診法を学びたい」という検査技師らが大阪を中心に増えているという。 田中部長は「ハイリスク者を見つけるというところでは大成功だが、頻繁に受診してもらうにもかかわらず、発見率は100%にはほど遠いなど課題も多い」と話しており、さらに検査精度の向上に努める考えだ。(共同通信 池内孝夫) (2009/05/19) +font> |