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気管支鏡を目標に誘導 ナビシステムを開発 |
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日本人のがんで最も多い肺がんのうち、約半数は気管支が細かく枝分かれした末梢にできるため、従来の気管支鏡による診断では成功率(診断率)が十分ではなかった。岐阜県総合医療センターの浅野文祐・呼吸器内科部長らは、末梢の目標まで気管支鏡を誘導するナビゲーションシステムを開発、診断率向上に成功した。 ▽届かないことも
「末梢のがんは自覚症状が出にくく、発見時には手遅れの場合が多い。早期発見が重要」と浅野部長。コンピューター断層撮影(CT)の普及で小さな病変も見つかるようになったものの、がんかどうか確定診断するには組織を採取しての検査が必要だ。検査には通常、胃カメラのように鼻や口から入れ、肺につながる気管支の中を見る気管支鏡が使われるが、一般的な直径5ミリのタイプでは到達範囲が限られ、目標まで届かないことが多い。 病変をつまみ取るには、気管支鏡の先からさらに細い鉗子を延ばす。この手技はCTの2次元画像を参考にしながら、多い場合には5カ所以上の分岐を通ることになり、病変にたどり着くには高度な技術が必要。ルートが正しいかどうかエックス線撮影で確認するため時間がかかり、患者の被ばく量が増える問題もあった。 ▽3次元で再現
浅野部長らは患者1人当たり1000枚以上のCT画像を基に、気管支の仮想3次元画像を作るシステム「バーチャル気管支鏡ナビゲーション(VBナビ)」をオリンパスメディカルシステムズと共同開発。直径2・8―4ミリの細い気管支鏡と併用することで、これまで届かなかったところまで、簡単で短時間に検査できるようになったという。VBナビは、病変を目標に設定するだけでカーナビのように最適なルートを自動的に探し出して表示。患者の気管支を忠実に再現した3次元映像を使い、迷路のような数多くの分岐でどちらに進むかを、あらかじめ確認することができる。 「分岐ごとに正しい方向に目印を付けられるので迷うことがない。画像の作製自体が検査のシミュレーションになる」(浅野部長)。現在は、気管支の内側から超音波で病変を確認した上で、鉗子で採取する手法と組み合わせるのが最も有効だという。 ▽診断率80% 従来の気管支鏡検査の診断率について国内の統計はないが、米国では57%、二センチ以下の小さな病変では34%にとどまるという二〇〇七年のデータがある。気管支鏡で診断できなければ、全身麻酔で胸に小さな穴をあけて内視鏡を入れる胸腔鏡検査など、患者により負担がかかる手法を選ばざるを得ない。 浅野部長は北海道大や福島医大などと共同で、06年から07年にかけ、3センチ以下の病変200例を対象に臨床試験を実施。VBナビでの診断率は80%で、使わない場合の67%とは明らかな差が出た。 浅野部長は「VBナビは、肺の末梢で見つかった病変検査の主流となる可能性がある」と話す。検査前に患者のCTを一度撮影すれば、三次元画像はデータ入力から約20分で作製可能で何度でも使える。医療機関も画像の作製ソフト以外に特別な機器は不要という。 末梢の病変は健康診断で実施される胸部エックス線撮影では写らないケースもあるといい、浅野部長は、50歳になったら一度は肺のCT検診を受けるよう勧めている。(共同通信 新居一樹) (2009/05/05) +font> |