百日ぜき、最多のペース
「流行の恐れ」と感染研
 しつこいせきが続く感染症の百日ぜき。全国約3000の小児科からの報告数は、2000年以降では最多のペースで増加している。かつては子どもの病気と思われていたが流行形態も変化し、患者の3分の2が16歳以上という調査結果も。国立感染症研究所は「5月下旬から6月にかけて流行する恐れがある」と注意を呼び掛けている。
 百日ぜきは患者のせきなどのしぶきに含まれる菌を吸い込むことで感染、1週間から10日間の潜伏期間を経て発症する。最初はかぜのような症状で、次第にけいれん性のせきが起きる。息を吸い込むときに「ヒュー」という音が出たり、夜間に発作が起きたりするのが特徴。大人の場合はせきが長引くものの、特徴的な症状は少ない。
 今年に入ってからの患者報告の累計は、3月29日までに1086人。2000年以降の同時期の比較では、最も多かった08年の841人を大きく上回る。
 都道府県別では千葉の133人が最多。次いで福岡(131人)、北海道(83人)、大阪(57人)、栃木と東京(50人)の順となっている。山口県立大学(山口市)では昨年12月に患者が急増。看護学科2年と栄養学科1年の学生に対し6日間の出席停止措置を取った。
 20歳以上の割合が年々増加する一方、零歳児と1歳児の割合も昨年よりやや増えている。「大人が流行の中心で、その影響で免疫を持たない零歳児の患者が増えている可能性が高い」と、感染研感染症情報センターの安井良則主任研究官。
 現在の国への患者報告は定点の小児科からのみで、実態を正確に反映していない可能性もある。感染研が昨年から始めた調査では、昨年5―11月にあった報告のうち、全体の67%を16歳以上が占めた。
 国立病院機構三重病院の中野貴司室長は「大人から子どもにうつってしまうことが問題。重症化するのは生まれてすぐの赤ちゃんやワクチンを打っていない子どもで、呼吸不全になって生命に危険が及んだり後遺症が出たりする場合もある」と指摘。
 その上で「百日ぜきを含む三種混合ワクチンは生後3カ月で接種できるので、重症化を防ぐためにも早めに接種してほしい」と話している。 (2009/04/28)

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