ベテラン看護師に任せて
聖路加国際病院の日野原重明理事長

   聖路加国際病院の日野原重明理事長に、国内への「ナースプラクティショナー(NP)」導入にかける思いを聞いた。

 ―看護師に医師業務の一部を分担してもらえば、深刻な医師不足対策にもなる。
 「医学部定員の抑制が続いていたが、昨年、政府はようやく定員増に転じた。ところが、一人前の医師になるには卒後研修など最低でも8年はかかる。しかも、医師不足が深刻な産科や小児科などを志願するとは限らない。こんな当てにならないことより、意欲のあるベテラン看護師を活用したほうが早い」

 ―大分県立看護科学大が先行して大学院に養成コースを設置した。
 「それ以外にも幾つかの看護系大学などが準備を進めている。聖路加看護大大学院でも4月から上級実践コースとして急性期看護、小児看護の修士課程を新設する。すでにある助産課程と合わせ、将来的には絶対的に不足している麻酔科医、産科医、小児科医の仕事の一部を担える看護師を育てたい。何年も現場で働いた経験豊かな看護師をみっちり鍛えればいい」

 ―診療や薬の処方などは、法律で看護師には認めていないが。
 「患者の気管にチューブを挿入して肺に直接空気を送り込む「気管挿管」は医師だけに認められた医療行為だったが、裁判などを通じて訓練を受けた救急救命士ができることを証明。2004年夏には病院実習などを済ませた救急救命士にも認められた」
 「同様に看護師もできることを証明すればいい。やる気のある看護師をさらに教育して、心電図やエコーを見て所見を読めるようにする。それを聞いた医師が総括して診断すればいい。聖路加国際病院ではそうしていきたい」

 ―最終的には法改正が必要ではないか。
 「看護師の業務を規定する法律ができたのは60年も前だ。米国では約40年前から看護師が麻酔をかけられるように訓練されている。日本でもできることを証明し、国民的合意形成ができれば近い将来に法改正が期待される」 (2009/03/10)

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