10年後に「当たり前」願う あおぞら診療所の前田医師 |
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在宅医療が中心の「あおぞら診療所」が千葉県松戸市に開院して10年。スタート時から子どもの診療を中心に手掛ける前田浩利医師(46)に、小児在宅医療の普及に必要な方策などを聞いた。 ―ニーズの高まりを実感するか。 「日本小児科学会の統計でも『超重症(心身障害児)』が増えている。開院前に茨城県内の中核病院で働いていた時は、人工呼吸器を付け自宅で生活する子どもは県内に数人だったが、今では1つの病院に10数人いる。入院施設の医師から『在宅診療部をつくらないと病棟がもたない』という話をよく聞く」
―在宅医療が普及すれば。「病院から自宅に帰れなかった子どもたちが帰れる。これは文句なしに幸せなこと。NICU(新生児集中治療室)や病棟の満床問題も良い方向に向かえば、医療資源が有効に活用される。子どもたちが今よりずっと幸せに暮らせるようになり、生活の質が上がる」 ―在宅は安全面で不安との家族も多いのでは。 「ご家族には、不安や心配ごとはどんどん相談して下さいと言う。NICUは一番安全だが、親と触れ合えるのは1日2―3時間で、抱っこはしてもらえないし、電子音が常に鳴る中で過ごす。家なら家族やペットの声が聞こえ、暖かい日も寒い日もある。人間らしい生活をさせてあげたいし、自宅では不思議と症状が安定することが多い」 ―普及にはどんな方策があるか。 「小児科の開業医と病院の医師たちが本気で進めていかなければならない。小児に特化した在宅医療のクリニックや部門をつくり、症例を集積して教育機能を持たせれば良い。長野の県立こども病院や、東京の国立成育医療センターなどでこうした動きがある」 「在宅医療では、往診によって外来受診が減ることが期待できるが、医師数も増やさないと労働強化につながる。数の少ない小児科医は、重症で専門知識が必要な子を診療し、通常、多くの時間を割かれる風邪の子どもは内科医に協力してもらうことなどが有効だ」 ―自分の地域で小児在宅医療のサービスが受けられるかを知るには。 「自治体の障害福祉課などが窓口となる。現在サービスがない地域でも、地方都市なら同じ大学出身など医師間のネットワークが強いためシステムはつくりやすいと思う。十年後には小児在宅が当たり前の選択肢になっていることを願う」(完) (聞き手は佐分利幸恵共同通信記者) × × × この連載に対する感想やご意見を電子メールでお寄せください。アドレスはiryo-1@kyodonews.jp (2009/03/03) +FONT> |