|
システム確立へ戦略研究 |
放っておくと腎不全に至り、最終的には透析や腎臓移植が必要となる恐れのある慢性腎臓病(CKD)は、悪化するまで症状に気付かず、透析に入る患者の増加に歯止めがかからない。厚生労働省は、地域のかかりつけ医と腎臓専門医らが連携し重症化を食い止める仕組みづくりに向け、全国規模の戦略研究を進めている。
腎臓専門医でもある酒井さんは「腎臓は毛細血管のかたまり。腎機能の低下は全身の血管に対する“赤信号”でもある。痛くもかゆくもないからと言って、CKDはばかにできない」と説明する。CKDの患者はもともと高血圧や糖尿病、動脈硬化など別の病気で通院していることが多く、服用している薬が原因で腎臓が悪化するケースも。「CKDに対する認識不足から、かかりつけ医の段階で尿検査や血液検査をしても、わずかな異常は放置されてしまうことがある」と酒井さん。 戦略研究は全国15の大学病院と500人のかかりつけ医が協力。登録したCKD患者2500人を2グループに分け、すべての患者に日本腎臓学会の「CKD診療ガイド」に従った治療を行う。 その上で、一方のグループには定期的に管理栄養士を派遣し、食事や生活習慣の指導を実施。診療ガイドが定めた通りに薬を飲んでいるかや、血圧、血糖値を管理しているかなども丁寧にチェックする。 さらに、診察状況やGFRなどのデータも一元管理し、しばらく外来に来ない人に受診を勧めたり、腎機能が低下した場合にはかかりつけ医に専門医への紹介をアドバイスしたりする。 こうしたきめ細かい対応を2012年春まで継続した後、両グループ間で病状の進行具合に差が出るかを調べる。 研究リーダーの山県邦弘筑波大教授(腎臓内科)は「医師の指導だけでなく、栄養士もかかわることで患者の意識が高まると期待される。積極的な介入の予防効果を明確にした上で仕組みを全国に広め、透析導入患者の増加を抑えたい」と話している。 (2009/03/03) +font> |