安心できると日本人利用者
“過剰サービス”に苦情も
 千葉県で喫茶店を経営する男性(55)は3年前、バムルンラード病院で健康診断を受けた。以前から胃の調子が気になっており、タイ訪問中に知人から「設備の整ったすごい病院がある」と勧められたのがきっかけ。「『お客さま』としての扱いが徹底している。病院にありがちな重苦しい雰囲気がなく、気持ちが楽だった」と評価する。
 健診費用は1万2千バーツ(約3万1千円)。「日本と料金も検査内容もほぼ同じだが、医師が時間を気にする様子もなく丁寧に対応してくれたので安心感を持てた」。男性は今年、再び健康診断を受けに行く予定。「もし異常が見つかれば現地で治療する」と話す。
 一方、バンコクの日本大使館には、タイの民間病院にかかった日本人から「検査で一つ高い数値が出ただけなのに、精密検査を受ける前から『がんの疑いがあるかもしれない』と恐怖感をあおるようなことを言われた」などといった苦情が入ることもあるという。
 大使館関係者は「利益追求を掲げる民間病院の過剰なサービス意識が、かえって患者に不安を与えるケースもあるようだ」と指摘する。
 今後、日本から海外に渡る患者は急増するのか。メディカル・ツーリズムに詳しい東京医科歯科大大学院の川渕孝一教授(医療経済学)は懐疑的だ。「心臓外科や脳外科などの難しい治療となると、手術後のフォローに不安を感じる人もいる。あえて外国の病院を選ぶ日本人が増えるとは考えにくい。ただ、医師不足の深刻化や医療費の負担増など、国内の医療が危機的状況になった場合には、患者が流出する事態も起こり得るのでは」 (2009/02/10)

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