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厚労省研究班「勧めない」 住民検診で、産科医は反発 |
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女性の死因で13番目、がんでは2番目に多い子宮頸がん。原因は一部の型のヒトパピローマウイルス(HPV)への感染で、これを解明した研究者には昨年、ノーベル賞が贈られた。ウイルスの検査は感染の把握に有効だが、自治体が行う住民検診への導入の是非をめぐり、「勧めない」とする厚生労働省研究班と、日本産婦人科医会との意見が分かれている。 ▽見逃しも
子宮頸がんと毎年新たに診断されるのは8000人以上で、約2500人が亡くなっている。兆候を早く発見すれば予防が可能なため、住民検診は20歳以上を対象に2年に1度となっている。現在の検査方法は、子宮の入り口(頸部)を綿棒などでこすり、細胞を採取して顕微鏡で調べる「細胞診」。がんになる前に軽度から中等度、高度へと進行する病変のうち、中等度での発見を目指している。この段階から、がんに発展するのは5%程度とされる。 問題は20―30%程度の見逃しがあることだ。医師の技量によってはさらに多い場合もあり、医会常務理事の鈴木光明自治医科大教授は「目で異常を見つけることには限界がある」と指摘する。 一方、HPV検査はウイルスの遺伝子を手掛かりにするため見逃しは少ない。自治医大などのチームの調べでは、中等度の病変は95%以上の割合で発見された。細胞診で少し多めに細胞を採取すればよく、費用も5千円程度なため、医会は住民検診に採用するべきだと主張する。 ▽「過剰診断」
子宮頸がん検診の指針づくりを進める厚労省の研究班は昨年12月、「住民検診などでの実施は現時点では勧めない」とする指針案をまとめた。検査によって集団での死亡率を下げられるかどうか、論文などで十分な裏付けがない上、「過剰診断」の恐れがあるというのが理由だ。「ウイルス感染、イコール病気ではない」と、研究班の浜島ちさと国立がんセンター検診評価研究室長は説明する。特に20代では、後にウイルスが消えてしまう一過性の感染が多いため、すべてを病気と判定するのは問題で、ほかの世代でも、がんにまで発展する割合は多くないという。 これに対し鈴木教授は「HPV検査により、子宮頸がんによる死を避けられるだけでなく、子宮を守り、妊娠できる体の維持もできる」。評価基準を死亡率減少に貢献したかだけに置くのは、誤りだと反発する。 ただ、妊娠の可能性が問題になるのは住民検診の対象となる女性の一部の世代。浜島室長は「全体に適用する必要があるのか。細胞診でも十分対応できるはず。利用者に十分な情報を提供し、メリットとデメリットを判断してもらうのがよいのでは」と話す。 ▽灰色病変に 厚労省の検診指針はあくまで、住民検診のような公共的な検診の標準的実施方法を示すもの。だが鈴木教授は「国の指針に『勧めない』と書かれると、HPV検査そのものへの印象が悪くなる」と、影響の大きさを懸念する。 HPV検査が最も力を発揮するのは、細胞診で良性か悪性かの区別がしにくい“灰色”の病変が見つかった時だ。こうしたケースで、中等度よりも重い病変であると判明するのは約10%とされるが、すべてに精密検査を行うのは効率が悪い。 この時点でHPV検査を実施し、陽性なら精密検査に進む方法も有効だというのが医会の立場。住民検診への導入が直ちにできなくても、まずはこうした使い方をするべきだとしている。研究班もこの使い方の有効性は否定していない。(共同通信 浅見英一) (2009/02/03) +font> |