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日本人女性に効果大 遺伝子検査の利用も |
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肺がんに対する大きな効果を期待されながら、発売後、副作用による死亡が相次ぎ、慎重な対応が続いている治療薬「イレッサ」(一般名、ゲフィチニブ)。これまでに、日本を含め28国で約15万人の患者に使われてきたが、患者の中には、特に日本人女性で、劇的に効いて腫瘍(しゅよう)が急速に縮小するケースが明らかに存在する。最近は遺伝子レベルの研究が進み、どういう人に効果があるのかが分かりつつある。 ▽遺伝子に変異 ![]() 日本では現在、イレッサは肺がんで切除不能か、再発した場合に使えることになっている。とはいえ切除不能でも、まず抗がん剤を試し、その後に使うのが普通だ。 副作用の間質性肺炎がどういう人に起きやすいのかは、残念ながら現在もよく分からない。 一方、「イレッサには〝スーパーレスポンダー〟(劇的に効く人)がおり、効く人には確かにパターンがある」とイレッサ販売元アストラゼネカの加藤益弘研究開発本部長。 これまでの経験的な知識では、イレッサがよく効くのは「日本人女性で、たばこを吸わず、がんの種類は腺がん」という患者像が浮かんでくるという。 さらに今春に出た2つの論文で、「効く人には、イレッサの〝標的〟になっている上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子配列に変異がある」ことが指摘され、大きな注目を集めている。 ▽確認作業進む それが正しいなら、遺伝子検査で変異の有無を調べることで、イレッサが効きそうな患者の判定ができ、間質性肺炎の減少にもつながるからだ。 「変異があるのは、EGFRとイレッサの結合部位で、変異があることによって、イレッサの働きが増すらしい」(同社) こうした流れを受け、国内の医療施設では、肺がん患者の遺伝子変異の有無を調べる作業が進んでいるようだ。 愛知県がんセンターでも、これまでに肺がん手術を受けた患者約300人のがん組織を調べたところ、約4割にEGFR配列の変異が見つかり、日本人に変異が多いことを確認できたという。 「さらに、実際にイレッサを投与して治療した患者約60人を調べると、肺がんが急速に縮小するなど、よく効いた患者では、やはり変異がある人が多いことが裏付けられてきた」と胸部外科の光冨徹哉部長。 ▽高度先進医療 ![]() このため同センター遺伝子病理診断部の谷田部恭医長らは、気管支鏡や針生検で取った微量の肺がん組織から遺伝子変異を短時間で調べる方法を開発。近く高度先進医療として臨床検査に加える予定という。費用は3万5千円になりそう。 同部長は「遺伝子検査で確実に予測できることになれば、イレッサを使うべきかどうか、判断に迷ったときなどに役立つと思う」と話す。 ただ、論文をはじめ、これまでのデータは、後からさかのぼって遺伝子変異とイレッサの効果を調べたものであるため、「信頼性はいまひとつ」と考えられている。 実際、変異があってイレッサが劇的に効いた患者でも、効果がそのまま続く人もいれば、すぐに効かなくなってしまう人もいる。 少数だが、変異がないのに長期間効き続ける人もいるのも事実だ。 「変異とイレッサの効果の関係が確かなら治療ががらりと変わる可能性がある。しかし、実際に検査が役に立つことを証明するためには、新たな臨床試験をする必要がある」というのが光冨部長はじめ専門家の一致した意見だ。 |