心臓医療の現場を子供に
手術やロボット見学

  小中学生に心臓病治療の現場を知ってもらおうと、東京医大病院(東京都新宿区)が子供向け講座を開いた。手術の生中継や最新の手術用ロボットを間近に見た〝医師の卵〟候補の約60人は「神秘的だった」「大変そう」と、夏休みの半日を有意義にすごした様子だった。
 会場となった病院の講堂で、進行役の山科章教授(循環器内科)が「心臓は全身に血液を送るポンプの働きをしています。中には弁があって血液は逆流しません」と説明を始めると、子供たちはスクリーンに表示されたスライドを真剣な表情で見つめた。



 ▽40億回、20万に驚きの声

 心臓は一生に何回打ち、押し出す血液の量はどのくらいになるのだろう―。山科教授の問い掛けには、手首の脈拍を測るなどして、示された数値に対し思い思いに手を上げた。正解は「100年程度生きるとして、約40億回。20万㌧以上」。驚きの声が響いた。
 続いて、手術室からの生中継がスタートした。心臓の血管が狭くなった60代男性に、ほかの部位から取った血管を移植するバイパス手術だ。胸が開かれ動いている心臓がスクリーンに映し出されると、子供たちの目がくぎ付けになった。一方で、下を向いて目を閉じる女児も。
 東京都内の小学六年長沢秀哲君(11)は「医師は格好いいと思うけど、体の中の動いているものを触るので大変そう」。医師になりたいという横浜市の小学六年井上覚太君(12)は「人間の体は小さいのにいろいろなことが起きていて、神秘的だと思った」と、興味深そうだった。


 ▽どっちが正確なの

国内には数台しかない米国製の手術用ロボット「ダビンチ」も別室で見学。離れた場所で装置を動かす医師の手の動きが、コンピューターを通じてロボットの腕に伝わり、針と糸を使って上手に縫い合わせる。最先端の技術とあって関心は高く「ロボットと人間とどっちが正確なの」「どっちが速いの」などと、次々に質問が出た。
 子供向け講座は3回目。同病院の宇佐美脩企画広報室長は「将来どんな職業に就きたいかの考えが固まる10歳前後の時期に、強烈なインパクトを与えたい。特に外科医のなり手は減っており、これをきっかけに医師や看護師を目指してほしい」と話している。









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