高齢者に多い翼状片
快再発防ぐ手術が重要

 黒目に白目の組織が覆いかぶさる翼状片は高齢者に多い目の病気だ。漁師や沖縄県など南の地方の人に多いことから紫外線が原因ともいわれているが、詳しい発症メカニズムは分かっていない。進行すると視力が低下するため手術が必要となるが、再発する場合もあり、適切な手術を受けることが重要だ。

▽視力低下や乱視
 慶応大医学部の真島行彦助教授によると、翼状片の正体は白目の表面を覆う結膜の下にある組織が何らかの原因で異常に増殖したもの。鼻側から増殖を始めることが多く、黒目の方向に何年もかけて少しずつ侵入していく。
 失明などに至る危険な病気ではなく、黒目にまで侵入していない軽度の場合は直ちに手術はしないで様子を見ることが多い。だが、黒目に覆いかぶさるにつれて、2つの問題点が出てくる。
 1つは外見上の問題。黒目の中に充血した白目が入り込んだように見えるため、見た目を気にする患者は多い。もう1つは視力の低下。翼状片が黒目の上に侵入すると角膜の形をゆがめるため乱視になり、角膜中心部にまで進行すると視力が大きく低下する。
 ステロイドの点眼薬で炎症を抑えるなどの対症療法はあるが、進行を止める薬物は見つかっていない。このため、ある程度黒目の上にまで進行した場合は手術が必要となる。
 
▽再発率は10%
 手術自体は比較的簡単で、黒目を覆った翼状片をはがして切除する。点眼麻酔をして短時間で終わり、入院の必要もない。ただ、これだけでは切除しきれなかった翼状片が再び増殖し再発することがある。このため、残った翼状片と黒目の間に、周囲の健康な結膜を伸ばして移植し、翼状片の増殖をブロックする方法を取ることが多い。
 さらに、翼状片の増殖力が強い、若い患者の場合は、増殖を抑えるため抗がん剤のマイトマイシンを術中に使うこともある。
 「以前は切りっ放しにすることが多かったため、再発率が50%近くあった」と真島助教授。再発のたびに手術を繰り返し、次第に翼状片が癒着して眼球の動きを妨げるまで悪化することもあった。だが、術式の改善で現在では再発率は10%にまで下がったという。
 真島助教授は「翼状片は初回の手術が大事。再発するから手術しない方がいいという先生が今でも一部にいるようだが、ちゃんとやれば再発することはほとんどない」と強調している。

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