『高齢者の肺炎 2』

季節問わず危険存在 
大類孝・東北大助教授

 

―高齢者には潜在的な肺炎のハイリスク者が多いのですね。

 「ええ。お年寄りの肺炎というと、かつては別の病気の最終段階で起きるイメージが強かったですが、実は、昨日まで元気だった人が突然、誤嚥(ごえん)性肺炎で重篤な状態になることも多いのです」

 ―インフルエンザや風邪などに併発して起きる肺炎は?

 「お年寄りの場合も、当然そういうケースもあります。ただ誤嚥性肺炎はある意味、お年寄りの特性ともいえます。しかもこれは、季節を問わず危険にさらされていることになるのです」

 ―高齢者の肺炎は治りにくいと聞きますが

 「自立して生活している人の場合はそんなことはないと思います。問題は介護施設にいる人や寝たきりの人です。こういう人は症状が現れにくく、気付いた時にはかなり広範囲に広がっていることが多い。さらに抵抗力がもともと落ちていること。そしてもう一つがやはり誤嚥。いったん治ったようにみえても、誤嚥を起こして再発を繰り返してしまうのです」

 ―当然、治療も難しくなりますね

「ええ。通常なら一種類の抗菌剤を投与して二、三日様子を見ることもできます。しかしお年寄りの場合、二、三日で亡くなってしまう恐れもあります。だから最初の薬が勝負。当然、いろいろな菌に効く薬を使わざるを得ないし、しかも二剤、三剤併用ということも多いのです。こうなると耐性菌が生まれる恐れが出ます。また大学病院なら集中治療室があるので、人工呼吸器につないで薬が効くまで時間を稼ぐこともできますが、そういう施設がなく、スタッフもいない病院では、救命できない確率が高くなります。そういう意味でも、お年寄りでは予防が大切になります」

 


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