約半数が再発
増える尿路結石
予防に食事療法が有効
 「脂汗が出るほど」と言われる尿路結石の激烈な痛み。身近には必ず何人か経験者がいるのが普通で、患者は増えつつある。最近は体外衝撃波砕石術(ESWL)を用いて、体外から結石を破壊することができるようになったが、問題は再発が多い点だ。
千葉大医学部泌尿器科の伊藤晴夫教授は「結石の多くは原因がはっきりしないが、生活習慣病の一種であることは間違いない。脂肪分を抑えた食事療法が有効で、再発をかなり減らすことができる」と話している。
▽激変した発生場所
 「尿路」という場合、上は腎臓から尿管を経て、ぼうこう、尿道の全体を指すが、結石ができる場所は、一昔前から比べると、劇的に変わった。
「日本では、昔はぼうこうや尿道結石(下部尿路結石)が多かったが、第二次大戦後、腎臓や尿管の結石(上部尿路結石)が急増し、今では95%以上を占める。食生活が欧米化し、動物性の食べ物を多く摂取するようになったことが大きな要因」(同教授)
 激烈な痛みは腎臓から出た結石が尿管の途中で詰まり、尿が逆流して、腎臓内部の圧力が急激に高まったときに起きる。
 尿は血液中で不要になった多くの老廃物が溶け込み、微妙なバランスを保っている。このバランスが崩れたり、濃縮されて濃くなったりすると結石の発生につながる。症状も結石のできる場所によって異なる。

▽衝撃波で治療
 「結石の大部分はシュウ酸カルシウム結石で、80%以上を占める。どうしてできるのか直接の原因がはっきりしていないので、対策が難しかった」(同教授)
 ほかにリン酸マグネシウムアンモニウム結石、尿酸結石、シスチン結石があるが、これらは尿路感染など、発生の仕組みがほぼ解明されている。
 直径7―8ミリまでの結石で尿路感染症などの合併症がなければ、尿とともに結石が排出されるのを待つ自然排石促進法が選ばれる。水分を多く取り、尿管の緊張を下げる薬などを用いる。
 伊藤教授は「今は開腹手術はほとんどなくなり、治療法も全く変わった。大部分の結石は衝撃波と内視鏡手術で治療できる。今は手軽に衝撃波を使えるので、かえって再発防止を考えなくなったきらいはある」という。
 現在、日本人の100人に6―7人は生涯に尿路結石を経験する。何度も結石ができる人もいる。
▽カルシウムを多く
再発率は治療後5年以内で約50%に達する。「結石の予防に、昔は結石の成分となるカルシウムを食べるなと言われたが、今は逆。カルシウムを多く取った方がよいことが分かっている。シュウ酸はあらゆるものに含まれているので避けるのはなかなか難しい」(同教授)
 カルシウムを多く取ると、腸内でシュウ酸にくっつき、一緒に便として排出される仕組みだ。
 ところが、脂肪が多い食べ物を取っていると、脂肪が分解されてできる脂肪酸が腸内に多くなり、カルシウムに結合して排せつされ、腸内のカルシウムが減少する。そうなると、過剰になったシュウ酸が腸から吸収され、尿中でカルシウムイオンと結合し、結石になると考えられている。
 再発を防ぐ薬物療法としては、尿中のカルシウム濃度を低下させるクエン酸製剤がある。
 伊藤教授は「結石を防ぐには食事に気を付けると同時に、水分を多めに取り、適度な運動をすること。少し前までビールがよいと言われていたが、飲み過ぎるとかえって危険」と話している。
 同教授の著書に「図解 尿路結石を治す」法研刊、定価1400円がある。


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