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全量輸入、安定確保に懸念 |
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がんや心筋梗塞、脳卒中の画像診断などに用いる放射性医薬品には、原料の放射性物質「モリブデン99」が欠かせない。現在は全量を海外からの輸入に頼っているが、製造している海外の原子炉が老朽化、安定供給が危ぶまれており、日本原子力研究開発機構や医薬品業界は国産化に向けた取り組みを始めた。 放射性医薬品は、テクネチウム99mなどの放射性物質を含む。患者に投与するとがん細胞などに取り込まれるようにしてあり、放出される微量の放射線を体外から測定し病変や治療効果を確かめる。年間約百万件の診断に使われているという。
原子力機構によると、テクネチウム99mは、放射線を出し別の物質に変化するが、量が半分になる時間(半減期)は約6時間と短い。そこでテクネチウム99mのもととしてモリブデン99を原料にしている。モリブデン99がテクネチウム99mになる半減期は約66時間。長期間の保管はできないため毎週空輸される。推定でカナダから7―8割、ほかはオランダや南アフリカから輸入し、メーカーが医薬品を製造している。 だが、カナダで製造している原子炉は初臨界が1957年、他国の炉も60年代と老朽化が進み、不具合や検査で停止が増えると懸念され、テロで空輸が滞る恐れもある。昨年はカナダの炉が緊急時冷却ポンプの不備で運転を停止、他国から緊急輸入してしのいだ。 日本アイソトープ協会の中村吉秀・医薬品部長は「カナダの炉の運転許可期限は2011年で、更新されるか分からない。問題は切実で、停止すれば世界的なパニックになる」と心配する。 国内での製造は、茨城県大洗町にある原子力機構の試験用原子炉JMTRで始める。この炉も68年初臨界と古いが、現在改修を進めており、11年度に再稼働し、現在の国内供給量の20%を製造する計画だ。 世界では、高濃縮ウランを核分裂させて生成物の中からモリブデン99を取り出す製造法が主流だが、核兵器にも転用できるプルトニウムができるなど課題もある。このためJMTRでは、モリブデン98に中性子を当ててモリブデン99をつくる方法を採用する。 原子力機構の河村弘・照射試験炉センター長は「高齢化社会で診断の需要も増え、国産化は急務。足りなくなってからでは遅い」と話している。 (2008/12/24) +font> |