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妊娠中の母の体重影響か 「成人後も悪影響」の指摘 |
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国内でこの30年、体重2500グラムを切って生まれる低出生体重児の割合が増えている。専門家は、妊娠中の母親の不必要な栄養コントロールなどによる体重不足がかかわっている可能性を指摘。影響は長期に及び、成人後の健康状態にも悪影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らしている。 ▽9・6%に増加
日本の低出生体重児の割合は、戦後最低だった1975年には新生児の5・1%だったが、2006年には9・6%にまで増加。経済協力開発機構(OECD)諸国の平均を大きく上回っている。新生児全体の平均体重も1975年ごろから減少傾向にあり、2006年までに約200グラム減った。女児に限ると、2000年代に入り3000グラムを切る状態が続いている。 「医療技術の進歩により、従来は救命できなかった早産の新生児も救えるようになった影響だ」との声がある一方、早稲田大胎生期エピジェネティック制御研究所の福岡秀興客員教授は「われわれが調べた範囲では、むしろ満期産で低出生体重児の発生が多い。妊婦の体重増加量が不十分なのではないか」と話す。 ▽生活習慣病も
低体重児は生まれた直後にも命が危険にさらされることがあるが、英国の疫学者デイビッド・バーカー氏が1986年に提唱した説によると、胎児期などに栄養の低い状態に置かれると、大人になってからも生活習慣病になる原因が発生する。この説は、その後さまざまな疫学調査や動物実験で検証が進められた。現在では母体内で発育が遅れると将来、高血圧や心筋梗塞、2型糖尿病、骨粗しょう症などのリスクが高まる恐れがあることが分かってきた。 メカニズムについては不明な点が多いが、同じ遺伝子でも、周囲の状態によって特定の化合物がくっついたりつかなかったりして働き方が変化する「エピジェネティクス」が関与しているとみられる。 栄養が足りないことで胎児期に遺伝子の働き方が変わり、出生後に栄養状態が改善されても、元には戻りそうもないとする動物実験結果などもあるという。「太りすぎは良くないが、よく言われる『小さく産んで大きく育てる』は、危険な考え方だ」と福岡さん。 ▽7―12キロ 日本の20代女性の4分の1はやせているといわれる。妊娠しても体重増加に神経質で、必要な栄養を摂取しない人も多いという。 国立保健医療科学院の滝本秀美・母子保健室長らが、2003年に出産した妊産婦5000人を対象に行った調査では、妊娠期間中の体重増加は平均で10キロ弱。低出生体重児の割合が少なかった1970年代の増加量は11―12キロで、明らかな減少傾向がみられた。 妊娠前にやせた体格の女性が、妊娠後に体重が五キロ未満しか増えなかった場合、3分の1のケースで低出生体重児が生まれたといい、滝本室長は「妊娠中の適切な体重増加とともに、妊娠前の栄養状態を改善することも重要だ」と話す。 この調査などを基に、厚生労働省が2006年にまとめたのが「妊産婦のための食生活指針」。肥満の人以外は妊娠中に7―12キロは太ることが望ましいとしている。 妊娠中の体重増加を支えるエネルギー摂取については、05年版の食事摂取基準が参考になる。18―29歳の女性の場合、エネルギー摂取量は16週ごろまでの妊娠初期で1日2100キロカロリー。その後28週までの中期には2300キロカロリー、出産までは2550キロカロリーと増やしていくのが良いという。(共同通信 浅見英一) (2008/12/24) +font> |