エイズ予防財団の木村哲・理事長 |
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エイズ予防財団理事長の木村哲・東京逓信病院長に、エイズを取り巻く現状や対策の課題について聞いた。 ―国内の現状をどうみているか。
「複数の治療薬を組み合わせる多剤併用療法で、米国ではエイズ患者の数が急激に減った。国内にも一九九七年以降、この治療法が導入されたが、日本では感染者も発症者も増え続けている」「一番の問題はエイズウイルス(HIV)検査を受けず、発症して初めて感染を知る『いきなりエイズ』が多いことだ。発症前に感染が分かれば多剤併用療法によって発症しなくてすむ上、周囲に感染を広げるリスクも下げることができる。発症してからでは薬の効きも悪い。発症予防だけでなく、感染拡大も防げるのが検査のメリットだ」 ―HIV検査は利用されているか。 「国内では感染者の20%しか検査を受けていないという推定もある。米国では国民全体の45%、感染者の75%が検査を受けており、日本と比較にならないほど検査が普及している。だからエイズ患者を減らすことができた」 「全国の保健所などで検査が受けられ件数は伸びているが、週1回、平日の1時間半だけなど不便なところも多い。土日や夜間の検査も徐々に増えているが、態勢は十分とは言えない。地方では自治体の財政状況が厳しいため、患者が増えているのにエイズ対策関連予算が減っている」 ―医療機関の取り組みは。 「感染の見落としが問題になっている。『いきなりエイズ』の患者に話を聞くと、過去に性感染症や帯状疱疹など関連の疾患で医療機関にかかったのにHIV感染をまったく疑われず、発見のチャンスが失われたケースが多くみられる。性感染症であればHIV感染も考えるべきで、医療機関ではもっと積極的に検査をするという風土をつくる必要があるだろう」 ―感染経路は同性間の性的接触が多い。このまま増え続けるとどうなるのか。 「日本の男性同性愛者には女性とも関係を持つ人が多いとされ、感染が同性間だけでなく女性にも広がる恐れがある。今の段階で何とか食い止めないと将来、手が付けられなくなるのではないかと心配だ。日本で感染者が確認されて25年近いが、増え続ける感染者・患者数に歯止めをかけねばならない」 (2008/12/16) +FONT> |