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精神科医療の専門施設 入院は期限や目標を明確化 |
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患者が急増しながら専門施設の大幅な不足が指摘されている児童思春期の精神科医療や、うつ病・ストレス関連疾患に特化した専門病院が横浜市に開院した。期限を設定し到達目標を明確にした入院や、教育現場への精神保健の普及など病院内にとどまらない活動を掲げ、新しい医療のスタイルを目指すとしている。 ▽集中治療室
この病院は横浜カメリアホスピタル(横浜市旭区、船越俊一院長)。長崎県大村市で精神科病院や精神障害者福祉ホーム、情緒障害児短期治療施設を運営するグループが開設した。施設は全体に開放感と明るさがあり、病院のイメージとは程遠い。病棟は性別、疾患別に4つに分離され、児童思春期とストレスケアを対象にした区域(60床)は女性専用。急性期の精神科医療とうつ病を対象にした区域(60床)も来春から運用の予定。 欧米では一般的だが、日本では導入が進んでいないという精神科集中治療室も5室設けた。保護室を使うほどの興奮などはないものの、抑うつ症状が強い患者や、感染症などにかかり一時的に隔離が必要と判断した場合などに使用する。 ▽大部屋にも仕切り
一方、通常の病室は4人部屋でもカーテンの代わりに大人の身長ほどの木製の間仕切りがあり、備え付けの机も。個室はホテル並みの広さと設備だ。カフェテリアのほか、談笑スペースも各所に設けられている。「こうした設備でプライバシーを確保しつつ、患者同士や医療スタッフとのコミュニケーションを促すことは治療効果を高める」と精神科医の長岡和・理事長は言う。 大村市の病院で院長を務めていた父が1993年に急死し、突然、跡を継ぐことになった長岡さんは、統合失調症を中心に、患者の入院が長期化する現実を目の当たりにして病院改革に取り組んだ。 「日本には統合失調症の医療を中心とする施設が多く、隔離や収容の機能を社会的に求められていた側面がある」(長岡さん)。建物を新築して病棟を急性期やリハビリなど機能別に分け、問題が多い抗精神病薬などの「多剤大量処方」の見直しや、福祉分野との連携に取り組んだ。 ▽こじれる芽を摘む
その一方で強化したのが、子どもや思春期の人たちと、うつやストレス性の病気の人たちへの医療。児童思春期・ストレスケア病棟を整備し、これに併設する形で、軽度の情緒障害の子どもを短期間入所させたり、自宅から通わせたりする情緒障害児短期治療施設を整備した。 自殺予防にも取り組み、土曜・日曜の診療を増やすなど急性期医療を拡充したほか、自殺した人の遺族らでつくる特定非営利活動法人(NPO法人)などを支援。患者は全国から訪れたという。長岡さんは「安心して治療に専念できる環境が少ないことを痛感した」と、横浜カメリアホスピタルでこれらの領域に特化する理由を説明する。 横浜での目標のひとつが、入院の期限や目的をはっきりさせること。家族などと離れ一時的に落ち着いたり、早期介入治療のためだったりと、入院は最終手段ではなく、こじれる芽を摘むためのものだとしている。 大村市の病院は、厚生労働省が今年から始めた「子どもの心の診療拠点病院機構推進事業」の拠点病院に選定されており、長岡さんは「横浜とも連携し、心の病の恐れがある人への早期介入プログラムをつくりたい。来院した人だけに向き合う医療は改め、病院を拠点に教育現場や職場、社会に精神保健を広めていきたい」と話している。(共同通信 江頭建彦) (2008/12/09) +font> |