禁煙に導くたばこ税
増収の予想では論争も
 「予防できる病気の最大の単一原因」として世界保健機関(WHO)はたばこを挙げる。年間に世界で約540万人、日本で約11万人がたばこによって早死にしていると推定されている。
 このため、WHOのたばこ規制枠組み条約は、たばこ消費削減を目標に掲げ、増税をその手段として推奨している。価格が上がれば買いにくくなる。日本のたばこ税は1箱300円の場合、価格の約58%。増税が有効な手段であることは外国で証明済みだ。欧米はたばこ増税を繰り返し、英国のように1箱1000円を超える国もある。300円の日本は先進国中最も安い国の1つで、価格面で消費抑制効果が弱い。
 たばこ税収は地方税も含め、年間約2兆2000億円。たばこ消費が減少傾向にあり、税収も減り気味だ。厚生労働省もたばこ増税を要求してきたが、たばこ産業の側は「これ以上増税すれば、消費が大幅に落ち込み、税収がかえって減る」と増税論に強く抵抗する。
 しかし、たばこはやめたくてもやめられない依存性の高い商品のため、一時的に税収増が見込めるという予想が大勢を占める。吸わない人の受動喫煙の被害もある。健康のため脱たばこ社会を目指すなら、たばこ増税は必要という指摘が多い。
 たばこは2003年と06年に、増税で1箱(20本入り)約20円ずつ小刻みに値上げされた。今回は思い切った増税を求める声が強い。ただ、税を負担する喫煙者の納得も必要で、大幅増税は現実的に難しい。 (2008/11/11)

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