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〝相乗効果〟を期待 国内で11例実施 |
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臍帯血(さいたいけつ)移植といえば、骨髄移植とともに造血幹細胞移植と呼ばれ、白血病などに対する有力な治療法だが、臍帯血は、へその緒や胎盤から採取するので量が少ないのが欠点。 それをカバーするため、複数(2人)の臍帯血を同時に1人の患者に移植する試みが一昨年から日本で始まった。これまで11例が実施されており、安全性の点では問題がないようだ。単独の臍帯血移植よりも生着が早まることなどが期待されている。 ▽従来は1人分 ![]() 「臍帯血移植の優れた点は、骨髄移植と比べ、提供者の負担がなく、凍結保存されているため、すぐ移植できることなどだが、問題は量が少ないこと。最近は、やっと成人への移植も増えてきた」と兵庫医大総合内科血液・腫瘍(しゅよう)科の三沢真人講師。 従来、臍帯血移植は骨髄移植と同様に、治療のために患者に移植されるのは提供者1人分に限られており、臍帯血の量が少ないからといって、ほかの人の血液を混ぜて使うわけにはいかないと考えられていた。 「最初に複数の臍帯血を同時移植したのは中国。固形がんの子供4例の治療法として実施し、効果があったと1994年に報告している。一番よく知られているのが、2001年に発表された米国のケース」(同講師) こうした動きを受けて、日本では同血液・腫瘍科の原宏(はらひろし)教授が責任者となり、「日本さい帯血バンクネットワーク」の協力を得て、02年7月から治験が始まった。 ▽片方が生着 東京大、東海大、大阪府立成人病センター、兵庫医大が参加。これまでに兵庫医大の5例を含む11例に複数臍帯血の移植が行われてきた。 同講師は「複数といっても通常は2つ。実際に移植すると、2週間ぐらいでどちらか一方が優位となり生着するが、もう一方は消えてしまう。同時移植で何か悪いことが生じるということはないようだ」と話す。 通常の臍帯血移植では、体重1kg当たり2000万個以上の細胞数があれば、1人分で移植が可能とされる。 複数移植の場合、片方はほぼ通常通り、他方は同1500万個未満のものを利用することになっている。 「要するに、安全のために2つ足して、体重1kg当たり計2500万個にはなるようにしている。患者さんには『一つで実施するのでもいいですよ』と説明している」(同講師) ▽結果は良好 兵庫医大で実施した5例は白血病患者で女性3人、男性2人。年齢は19-47歳だった。 結果は良好で、7月現在、全員生存。退院して元気な上、悪い細胞は全くなく、「治った状態」と言っていいという。 一方、生着するのは必ずしも多く入れた方ではなかった。どちらかと言えば、白血球の型であるHLAが、患者に近い方が生着しているようだという。 「まだ証明されていないが、複数移植は免疫学的に見て、お互いに刺激し合って細胞をより増殖させる方向へ向かっている可能性がある」(同講師) 通常の臍帯血移植と比べ、生着するのが少し早いようだ。また、実施する医師にとっては「どちらかは生着する」という安心感があるという。 三沢講師は「当初予定された治験は終わったが、評価や検証にはまだ時間がかかる。将来、複数臍帯血移植が広がっていけば、必要なときに移植が可能になり、提供者に負担がかからない長所が生きてくる。そのために統計的な証拠を見せられるようにしたい」と話している。 |