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改良型コイルで再治療減少 日本の研究者も一役 |
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くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対して行われる血管内治療の塞栓術は、体への負担が少ないが、こぶに詰めた金属製のコイルにすき間ができ、1年後には約1割で再治療が必要になる。こうしたケースを減らそうと開発された改良型コイルが承認され、国内でも使用が始まった。日本の研究者も開発に一役買った。 ▽欧米では7割
脳動脈瘤の破裂は、くも膜下出血の原因の9割前後を占めるとされる。脳ドックなどで破裂の恐れがあるこぶが見つかり治療する場合は、開頭してこぶの根元をクリップで挟む手術か、塞栓術のどちらかを患者の状態などに応じて選ぶ。開頭は成功すれば再発はほぼないとされるが、脳を露出する長時間の手術で、入院期間の長さや痛みなど患者の負担は小さくない。 一方、1990年代初めに米国で始まった塞栓術は、太ももの付け根などの血管から入れた細い管(カテーテル)をこぶに挿入し、この中に通した白金製コイルをこぶに詰めて血流を遮断し、破裂を防ぐ方法。 治療1年後の経過は、開頭手術よりも優れていたとする大規模臨床試験の結果が2002年に発表され、欧米では脳動脈瘤治療の7割前後を占めている。 ▽反応を逆手に
塞栓術の後、コイルに徐々にすき間ができ、こぶの中の血流も再開してしまう現象は、全体の2割弱に起きるとされる。「コイルを追加する再治療が必要になるのは、そのうちの半数ほど。これで破裂の危険は防げるが、患者の立場になれば少しでも減らしたかった」。こう話すのは、改良型コイルの開発に携わった慈恵医大の村山雄一教授(脳神経外科)。血流再開の原因を90年代から研究した村山さんが注目したのが、コイルの素材。「白金は体への適合性が高いため、こぶを修復するタンパク質の分泌など体の反応も起きにくい」。これを逆手に取り、適度な刺激を与える生体吸収性のポリマーをコイルの表面に配合し、ポリマーを分解する際の炎症反応でこぶの修復も促そうと考えた。 村山さんは、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)に留学した95年から改良型コイルを研究。こぶの形状にフィットしやすく、詰めやすいなどの特徴も併せ持った製品を米医療機器メーカーと共同で開発し、02年に米食品医薬品局の承認を得た。 ▽使いやすく
国内で今夏、発売されたコイルは、さらに一部が改良された最新型。慈恵医大でもこれまでに15人前後を治療した。「合併症もなく、こぶをほぼ完全にふさぐことができている。狙い通りのところにコイルを留置できるなど、非常に使いやすくなった」(村山さん)という。ただ、このコイルを使いこなすには一定のトレーニングが必要で、当面の治療施設は限定される。再治療のケースが実際にどの程度減るのかなど長期的な成績の検証もこれからで、近く国内のグループで研究が始まる予定。 村山さんは「開頭手術と血管内手術のどちらが優れているか、という議論ではなく、患者一人一人の状態に合わせた方法を選び、治療成績も向上させていく努力を続けたい」と話している。(共同通信 江頭建彦) (2008/09/30) +font> |