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高齢者の目まいやふらつき |
高齢者の目まいやふらつきは、転んで骨折すれば寝たきりにつながりかねず見逃せない問題だが、原因不明の場合も多い。平塚共済病院(神奈川県平塚市)の城倉健神経内科部長らは、多くのケースで、平衡感覚をつかさどる内耳の三半規管に入り込む“砂”が関与している可能性が高いとの研究報告をまとめた。
“砂”とは、三半規管につながる「前庭」という部分にある炭酸カルシウムの結晶で、普段は体が直線的な加速度を感知するために働いている。問題なのは、これが前庭からはがれ落ち、何かの拍子に三半規管に入り込んでしまうことだ。これが原因で起きるふらつきは「良性発作性頭位めまい症」と呼ばれ、検査すると患者の眼球が特有の振動を見せるため簡単に診断でき、治療法もある。そこで城倉部長は「眼球の振動があまりに小さいため見逃され、原因不明とされるケースが多いのでは」と推定。 2002年から04年の間に、めまいやふらつきで平塚共済病院を受診した患者のうち、肉眼による通常の診断では原因が不明だった200人を赤外線カメラなどで詳しく調べたところ、うち98人は実際には眼球が振動していたことが分かった。 さらに04年から06年にかけ、こうした「隠れ」眼球振動のあった126人に別の調査を実施した。患者のうち49人には、座った状態から体を左右に倒し、三半規管から砂を排出する効果があるとされる「ブラント・ダロフ法」という運動を毎日してもらい、何もしなかった残り77人と比較した。 3カ月後には、運動した人の約25%でふらつきがなくなったのに対し、何もしなかった人で症状が改善したのは5%にとどまった。原因不明と診断されるふらつきの中に、少なからず良性発作性頭位めまい症のケースが含まれる可能性が示された。 眼球振動がとらえにくい理由の一つとして、三半規管に入り込む砂が微量で、症状が軽いことが考えられる。ただ、微量でも「膨大部」と呼ばれる部分に砂が張り付いてしまい症状が長期化。高齢化とともに一瞬のふらつきを引き起こしている可能性もあるという。城倉部長は「原因不明の場合、まずは砂の影響を疑い運動をしてみてもいい」と話している。 (2008/09/22) +font> |