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蚊が媒介、流行の恐れ |
チクングニヤ熱という聞き慣れない感染症がある。蚊がウイルスを媒介し、アフリカ、南アジア、東南アジアでまん延。現在もインドやスリランカで流行しているが、感染者が国内に入り蚊に刺された場合、人から蚊、蚊から人への「感染の環」が成立し日本でも流行する恐れがあると専門家は警告している。
症状は発熱や激しい頭痛、関節の痛みで、同じく熱帯にまん延するデング熱と似ている。最近ではインド洋の島国コモロで流行、その後モーリシャス、レユニオンなどに拡大し、レユニオンでは人口の3分の1近い約24万4千人に感染、200人以上が死亡した。日本で確認されたケースはスリランカから入った2例。最初は36歳の女性で、2006年7月から12月まで滞在した現地で歩行困難になるほどの関節痛と高熱を発症した。症状が軽くなった後に帰国したが関節痛が続き、抗体検査で感染が確認された。 もう1例は50代の女性で、蚊に刺され帰国後に高熱と関節痛を訴えた。治療で症状は改善したが、ウイルスが検出された。 国立感染症研究所ウイルス第一部の高崎智彦室長によると、チクングニヤ熱は感染直後の患者の血液中のウイルス量が、デング熱に比べ非常に多いのが特徴。ウイルス量が多いと蚊への感染も容易になる。
加えて、日本に広く生息しウイルスを媒介するヒトスジシマカは、ほかの蚊に比べ体内でこのウイルスを増殖しやすい。同じようにヒトスジシマカが生息するイタリア北部では昨年夏、インドからの帰国者がきっかけとみられる流行が発生。約300人の患者が出て1人が死亡し、日本でも感染が広がる恐れがあることが裏付けられた。治療法は輸液や鎮痛解熱剤投与などの対症療法のみ。ワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが予防になる。 高崎室長は「従来は怖い病気という認識はなかったが、死亡例も出ている。ウイルスがこれまでなかった地域に入り込むと劇症化する場合があるのではないか」と指摘。「国内へのウイルス侵入を防ぐことが重要で、流行地域に行った人で熱や関節の痛みがあれば、すぐに医療機関で受診してほしい」と話している。 (2008/09/02) +font> |