『小児アレルギー性鼻炎-5』

 治療で成績向上も 
工藤典代・千葉県立衛生短大教授

 


 ―子供の鼻が詰まっていても、そのままの人も多いと思いますが。

 「生活の質を確実に落としますし、正常な発育にも影響を与えかねません。成長発達に必要な成長ホルモンは寝ている時に分泌されますから。鼻を治して良い眠りを確保してあげてください」

 ―睡眠不足の影響は、ばかにできない。

 「そうです。そのため昼間に落ち着かなかったり、集中力に欠けたり、居眠りをしたりします。米国の調査では、いびきをする子や睡眠時呼吸障害になった児童は、手術で成績が良くなるとの結果も出ています」

―治療が必要な子供の数は。

「アレルギー性鼻炎の子供は30―40%とされ、その半分がいつも鼻が詰まっている重症例です。集中力欠如のすべてが鼻が原因ではありませんが、親御さんや先生も頭ごなしに怒るのではなく『鼻炎ではないか』と調べてみてください。鼻を治すと本当の本人らしさが出てきます。声まで変わりますから」


―睡眠以外の問題は。

「例えば嗅覚(きゅうかく)障害もあります。生まれたばかりの新生児は鼻呼吸をしています。鼻炎はその後に起きます。そのまま成長すると、鼻詰まりが普通なので異常に気付きません。手術で鼻が通ったあと『ご飯にもにおいがあったんだね』と言った子供がいました」

―専門医探しも難しそうですが。

 「確かに、専門病院にたどり着くまでに、電話帳ができるほど耳鼻科を回ったというお母さんもいますし『なぜここまで放っておかれたのか』と思うことがあるのも事実です。日本小児総合医療施設協議会に加入している全国27の小児病院のうち、10施設に耳鼻科医がいます。普通の病院では小児耳鼻科医がいるかどうかを目安にしてください」


 


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