薬剤師と相談し後発薬に
患者負担は軽減
  診察後に医師から渡され、調剤薬局に出す薬の処方せんが4月から、新薬と有効成分が同じで安価な後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を標準とする様式に変わった。これで普及に弾みがつけば、増え続ける医療費抑制に効果があると期待されている。
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 2008年度の診療報酬改定で、医師は後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更を認めない場合にだけ処方せんの「変更不可」の欄にチェックするようになった。チェックがなければ、薬剤師から説明があるはずなので、相談して後発薬に替えることができる。
 後発薬は、新薬の特許期間(原則20年)が切れた後に別会社から発売される。有効成分は新薬と同じで、価格が2―7割と安いのが特徴。売れ筋の新薬の特許が切れた後には多くの後発メーカーが参入する。特許が切れたドル箱の高血圧治療薬に対し、今年は7月には30数社が後発薬を発売する。
 国民医療費は2005年度で約33兆円。高齢化の影響などで、10年間で約1・2倍に増えており、このうち約2割が薬剤費。国は価格の安い後発薬の普及で、国民医療費を抑える狙いだ。
 
▽患者負担は軽減
 患者の負担はどのくらい減るのだろうか。東京都渋谷区の建築士、建川勉さん(52)は6月から後発薬の服用を始めた。手足に力が入らなくなる難病を抱えながら仕事を続ける建川さんにとって、服薬は欠かせない。毎日飲む5種類のうち2種類を後発薬に替えた。自己負担が3割の建川さんの薬代は7850円から1110円減った。
 初めは、後発薬に変更することに迷いもあった。「以前入院した病院で、説明もなしに後発薬に替えられた。新薬にこだわる気はなかったが、不信感が残った」。しかし、後発薬への関心もあった。「何でも話せるし、分からないことは、すぐに必ず調べてくれる」かかりつけ薬剤師に相談の上、納得して切り替えを決めた。  「残る3種類についても、後発薬が発売されれば薬剤師に相談しながら切り替えたい」と考えている。
 後発薬の日本の普及率は17%(数量ベース)で、50%を超えるような欧米先進国と比べて低い。国は昨年六月、これを2012年度までに30%以上に引き上げる目標を設定。使用促進に向けた行動計画をまとめ、約8万枚の啓発ポスターを調剤薬局に配布するなど普及に力を入れる。
 
▽医療現場に不安
 しかし、有効成分は同じでも大きさや薬の表面を覆うコーティングの違いで効能は必ずしも同じではないとの指摘や、供給体制、製品情報の提供などの面で不安視する声が医療現場にある。
 日本医師会が07年、全国の病院を対象に行った調査(有効回答は3分の1の約3000病院)では、94%が後発薬を使ったことがあると回答したが、このうち35%はその後、供給体制や品質などの問題で使用をやめていた。
 ただ、公正取引委員会の06年の消費者アンケートでは65%が「場合によって後発薬を選ぶ」と回答。その78%が医師や薬剤師から説明を受けて納得できれば、としている。患者の納得には、価格差だけでなく効能や副作用などの情報が欠かせない。
 日本薬剤師会は5000品目を超える後発薬のデータを集め、説明資料に使えるように整備してきた。山本信夫副会長は「薬剤師は、患者さんが薬を選ぶための着眼点を説明する必要があるだろう。負担軽減だけを狙うのでなく、患者さん自身にいい薬を選んでもらいたい」と言う。(共同通信 田中貴子) (2008/07/15)

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