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トシリズマブの適応拡大 大阪大などが開発 |
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大阪大などが開発したキャッスルマン病治療薬トシリズマブ(商品名アクテムラ)の適応拡大が承認され、6月半ばにも新たに3つの病気に使えるようになる。中でも、十分な治療法がなかった小児(15歳以下)の全身型若年性特発性関節炎には「劇的に有効で、苦しんできた子供を助けることができる」(田中良哉産業医大教授=内科)と期待されている。 ▽IL6を抑制
使用が認められたのは関節リウマチ、多関節型と全身型の若年性特発性関節炎で、従来の治療で効果がない場合。関節リウマチと多関節型は4週間おき、全身型は2週間おきに点滴で投与する。これらの病気は、免疫に関係するタンパク質インターロイキン6(IL6)が体内で過剰に作られ、関節などの細胞の受容体に結合、炎症を起こすと考えられている。 トシリズマブは、受容体に取り付くことで、IL6の作用を抑える抗体の製剤。IL6を発見した大阪大の岸本忠三教授や、同大の西本憲弘教授らが開発し、発熱や貧血が起きるキャッスルマン病の治療薬として2005年に発売された。 若年性特発性関節炎は、15歳以下で発症し症状が六週間以上続く原因不明の病気で、患者は小児10万人当たり8・8人、全国で1700人と推計されている。多関節型の症状は大人の関節リウマチと似ている。 一方、全身型は関節炎のほかに全身症状が出て「1日のうちに40度近い高熱と平熱を繰り返す『弛張熱』や、ピンク色の発疹、肝臓や脾臓の腫れなどが特徴」と横浜市立大の横田俊平教授(小児科)は説明する。 ▽軟骨再生も
治療は非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)や抗リウマチ薬メトトレキサート、ステロイド薬などで行うが、薬が効かずマクロファージ活性化症候群という重大な合併症になると「数日で死亡することもある」(横田教授)。横田教授が最初にトシリズマブを使った患者は、高熱が半年間続いていた5歳男児だった。投与翌日には熱が下がり、5―15あった炎症を示す数値(CRP値)が0・1に減少、1週間後にはゼロと劇的に改善したという。 こうした結果を基に、横浜市大病院など7施設で行われた治験(臨床試験)には、15歳以下で発症した全身型の56人(2―19歳)が参加した。トシリズマブ投与で6週間後には48人(86%)のCRP値が改善。うち43人を2群に分けた12週間の試験では、投与群では75%が改善したのに対し、非投与群(偽薬投与群)では13%と差があった。 その後の48週間の延長試験でも、48人中47人(98%)で改善するなど、効果が確認された。 さらに、関節の破壊された軟骨が再生するなど「予想していなかった現象もあった。炎症を完ぺきに抑えているようだ」と横田教授は言う。 ▽条件付き
関節リウマチにも高い効果があり、田中教授は「関節リウマチの治療は関節破壊の防止が目標になる。その一歩として意味がある」と語る。一方、トシリズマブは「急激なアレルギーであるアナフィラキシーショックの恐れもあり、十分に観察しながら投与しないと怖い薬」(横田教授)。また全身型は、白血病や感染症、敗血症と間違えやすく、全身型として紹介された患者の三割は誤診だったという。 このためトシリズマブの投与は、緊急時に対応できる病院で、リウマチの専門医や学会の研修を受けた医師が行い、全例調査に協力することが条件となっている。 治験を行った施設はほかに宮城県立こども病院、千葉大病院、愛知県立こども病院、関西医大病院、兵庫県立こども病院、鹿児島大病院。(共同通信 影井広美)(2008/06/03) +font> |